†漆拾玖† ページ40
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今剣「やげんもなんとかいってください」
薬研「?俺っちがか?」
すると今剣様が薬研様にそう話を振る。
…………そう言えば一番止めそうな薬研様が
何も言わないなんて、珍しいなと思って
振り向くと彼と目があった。
それからにっと笑って、
彼は私の肩にポンッと手を置いた。
薬研「大将は何言っても無駄だろ?
そう言う人だと俺っちは以前思い知らされたからな」
『(小狐様の一件、かな?)』
薬研「俺っちはいつでも大将の味方だからよ」
「「「???」」」
薬研「着いて行くに決まってるだろ?」
「「「ッ!?!?」」」
お、男らしい…………っ
本当に彼は短刀だろうか。
私が知る短刀はこうじゃなかったぞ。
私が固まっている内に、どんどんと薬研様は
正面玄関へと向かっていく。
ちょっと待ってくれ、
まず彼らが現世に行っても良いのか?
と言うか、迷惑かけたくないから
連れていく気はなかったんだけどっ。
『薬研様っ!?ちょ、待っ…………』
小狐「その手がありましたな」
『えっ』
今剣「そうですね、ついていけばいいんですよ」
『ええっ』
岩融「がははははっ!これは一本取られたなぁ」
『ち、ちょっと待ってくれってぇええ!!!』
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乱「僕も行きたかったなぁ」
前田「乱兄さん…………」
小狐「じゃんけんなるものに負けるとは…………」
今剣「どうしていってはいけないのですか………」
『どれだけ着いていきたかったのですか…………』
それから玄関先であんなに騒ぐものだから、
他の刀剣達にも知れ渡る訳で。
しかし私としては非常に困る。
ただでさえ目立つ(美形過ぎて)のに
そのまま現世なんかに行ったらたまったものではない。
かと言って、意地でも着いていこうとするので、
とりあえず薬研様と燭台切様だけを
連れていく事にした。
この二振りなら、何か安全そうだし。
『(じゃんけんしても連れては行けないかな)』
五虎「あ、あの、主さま…………」
『ん?』
五虎「そ、の…………帰って、来ますよね?」
そんな五虎退様の言葉に、しんっと静まり返る。
その時私は思い出した。
彼らがどうしても着いていきたい理由を。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます!薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています!! (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年8月20日 1時