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†捌拾† ページ41









皆、表情に影がかかる。
寂しい、のかな。

ちらりと小狐様を見ると、少し苦笑じみた
寂しそうな顔をしていた。
そうだ、彼らはいつも待つ側だ。
主を待つ間は、彼らにとって
どれ程苦痛なものだろうか。

私も、そうだったな。
家にはいつも誰もいなくて、
いくら待っても父は帰っては来なかった。
同じなんだな。

私は五虎退様の目線に合わせて屈む。
そして笑って彼の頭を撫でて見せた。








『大丈夫。私は必ず帰るよ。ここに』

五虎「ぐすっ…………主、さまぁ…………」

『帰ったら、出迎えてくれるかい?』

五虎「ッ…………はい」

『よし、ならこれを君に預けるよ』

五虎「?これは?」









私はそう言って、首に下げていたお守りを取り出す。
そこには二つ鈴がついていて、
その一つを五虎退様の小さな手に乗せて握らせた。








『この首に下げていたお守りは母の形見らしいんだ。

流石に袋の中身は渡せないけど、
この鈴を持っててほしいな』


五虎「…………」


『ごめんよ、寂しい思いをさせて。
皆の事、頼むよ』








そう伝えると五虎退様は小さく頷いてくれた。
それから立ち上がって、着いていく二振りを見る。

二振りは笑っていつでも行けると言いたげに
彼らもまた頷いてくれた。









歌仙「燭台切、主を頼んだぞ」

燭台「任せてくれ。かっこよく守るよ」

乱「薬研もねー!」

前田「お気をつけて!」

薬研「嗚呼!」









そして私達は本丸を後にしたのだった。









‡とある神様の“記憶”‡→←†漆拾玖†



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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます!薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています!! (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年8月20日 1時

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