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†陸拾弐† “相棒” ページ23









『ふぅ…………』







今日も私は本丸の掃除に明け暮れていた。
最早この本丸お抱えの清掃員である。
しかしいつもよりも体は思うように動かない。

少し動いただけで疲れてしまう。
これもやはり憑依の表れか。


今日は大広間の掃除だ。
皆がいない時間帯を狙って拭き掃除をしているが、
いつもよりも疲れやすい体では中々終わらない。








“審神者さん、疲れてない?大丈夫?”


『(平気ですよ、これくらい。
皆にはいつも綺麗な場所で過ごしてほしいしね)』


“無理はしたら駄目だからね?”









堀川さんは何かと心配してくれた。
まるで母親だ。私は母親とは縁遠い環境で
育ったからどんなものかは分からないけど。

彼はかなり世話焼きで、何をしても心配する。
ありがたいけど、やや過保護。
後、皆で話し合いしていた時に気づいたが、
彼はかなり和泉守様を甘やかしている。
それはもう、少し引いた感じるほどに。

まあ、刀剣であった頃もあの土方歳三の腰に
下げられていた二振りだから
仲が良かったんだろうけど…………









“兼さん、最近いつもご飯残していてね?

確かに好き嫌いの多い人ではあったけど、
ご飯をあまり食べてないから心配なんだ”


『(和泉守様って究極に甘やかされてるのか)』

“何か言いました?”

『(いいえ別に)』



歌仙「…………眉間にシワが寄っているよ」

『…………堀川様の和泉守様の自慢が凄いんです』

歌仙「彼らしいな」









ごしごしと雑巾で拭きながら歌仙様にそう言うと、
やれやれと息を吐く歌仙様。
これが堀川様の通常運転なのだと彼は言った。









歌仙「何故僕まで拭き掃除を…………」

『畑仕事や馬当番は嫌だと言ったじゃないですか』


歌仙「風流じゃない…………生け花の手入れの方が
僕の性分には合ってるんだが」









…………今日は私の近侍として
付き添ってくれている彼だが、
こうして話していく内に少しずつ彼を知れた。

彼の口癖は“風流”や“雅”と言った
一見凄い上品な文系の神様だけど…………
(自称するくらいだし)

歌仙様って、結構短期でちょっと我が儘らしい。
人見知りって聞いたけど、
この人より分かりにくい人見知りは
いないような気がしてならない。
↑人見知り


後かなり物騒…………
↑びっくりすると殴り蹴りする人。

†陸拾参†→←†陸拾壱†



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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます!薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています!! (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年8月20日 1時

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