†伍拾漆† ページ18
･
『お、重くなかった？』
薬研「？いや、寧ろもっと食わねぇと
倒れねぇかこっちは心配でしかねぇが」
あ、そうですか。
薬研様は“なに言ってるんだ”と言わんばかりの
素直な眼で私を見ている。
おかしい、私とそんなに変わらない背丈なのに。
そんな私にお構い無く二振りは捜索を開始する。
え、私置いてかれた気分なんだが。
前田様もよくあの速度で付いていけたな。
前田「あっ…………」
薬研「いたか？」
前田「え、あっはい…………こちらに」
薬研「………………」
『……………………』
前田様は少し狼狽えながらも、
折れた刀身を丁寧に持って見せてくれた。
見たくなかったのだろう。
あまりにも無惨な姿な姿をした
堀川国広がそこにはあった。
長さ的には脇差か。
『ごめんよ、私の我が儘で』
前田「い、いえ…………しかし、
やはり彼からは神気を感じません………」
薬研「だが、実際に大将の
それは事実だ。何かあるのかも知れない。
大将、触れてみてくれ。
あんたが触れれば多少変化があるかも知れねぇ。
無理はするな、あんたの霊力は強すぎる」
『分かりました』
私は一度深呼吸して、目を伏せた。
意識して制御しろって言われてるけど、
そこまでの力が私にあるなんて
今でも信じがたい話だ。
気配とかには反応は出来たりとかはするけど、
私は自分の霊力には乏しい。
少し頑張ってみよう。
以前まで神様が宿っていた刀身だ。
多分“持ってかれてしまう”…………
ヒュッ…………
『ｯ！？』
薬研「！大将！」
前田「主君！！」
でも、頭ではそう思っても…………
中々上手くはいかないようだ。
触れた瞬間に、体力を奪われていく感覚を覚えた。
霊力が、持ってかれる………！
薬研様と前田様の声が聞こえるけど、
私はそれどころではない。
嗚呼だめだ、また、意識が………
『くっ、ふ…………！』
薬研「大将！」
『ｳｯ…………ご、め…………後、おね、が…………』
薬研「大将！大将！！」
こうして私はまた意識を失ってしまった。
ただ傷を治すだけで記憶が流れてくるんだ。
私が倒れてしまうのはあまり避けれないようだな。
とか、のんきに思いながら
意識をゆっくり飛ばした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます！薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月28日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています！！ (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年8月20日 1時
