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†伍拾参† ページ14









ああでも、さいごに
おられたときは、おぼろけだけどおぼえてる。








今剣「ど、して…………どうしてですか。
どうして“───”…………!!」






“許せ…………主の為なんだっ!!”






今剣「!!」









さいごのこうけいは、いままでいちばんいたかった。
なみだをたくさんみました。
ちをたくさんみました。おられたかたなをみました。

さいごにぼくをおったのは、
だれだったかわすれてしまいました。

あまりにも、こころがいたくて、
わすれたほうがらくでした……………………



だからもう、みたくなくて。
ぼくはやねににげました。




___________







岩融「がははははっ!いつまでそんなところにおる?
ほれ、降りて共に食事としようぞ!」


今剣「いやですよっ!
いわとおしもかんじてますよね?

あたらしいさにわにはあいたくないです!」







あるじさまがなくなって、
しばらくしてあたらしいさにわが
ほんまるにやってきました。

きっと、またいたいものをみてしまう。
そうにちがいない。


いっそ、ぼくのやいばでたおしてやる。
いたいおもいをするくらいなら。

そうおもって、ぼくはやねから
ようすをみることにしました。
いざとなればうえからきりすててやりましょう。


そうかんがえてました。



____________





でも、つぎのさにわはかわったひとでした。
ぼくたちがいやがることはしない。
たたいたりもしない。ことだまもつかわない。

いつもおだやかで、やさしいかおをしていました。


どうやら“ごようじん”とよばれている
にんげんらしいです。
かみさまのおねがいをきいてまわる、
にんげんのことみたいです。


それから、みだれたちがそのひとに
こころをひらきはじめました。
さいしょはだまされているとおもってたけど、
あのひとにふれるとみんな、
まえのようにわらうようになりました。

さいきんはこぎつねまるも、
さにわにこころをひらいているようでした。








今剣「へんだとおもいませんか?」


岩融「どこも変ではあるまい。
人とはそう言うものぞ。

俺はまだ話したことはないが、
新たな審神者は、どうやら我等と縁を
結びたいとしているとみた」


今剣「えにし………ぼくはやです。きっと、また………」


岩融「お主も分かっていよう?
人は前任のような者ばかりではないと。

義経公とてお主を見捨てるような
お方ではなかったろう?」


今剣「!」







†伍拾肆†【片割れの章】→←†伍拾弐†



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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます!薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年8月28日 12時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています!! (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2019年8月20日 1時

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