捌拾捌 ページ9
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鶴丸「！」
朝霧《ふは、いいねぇ。強いやつは好きだ》
燭台「鶴さんっ！！」
鶴丸「がっ………！く、」
『兄さん！！』
一瞬の隙きを見て朝霧は鶴の兄さんを擲った。
太刀の柄で攻撃を守ったようやったけど、
鶴の兄さんはそのまま木に打ち付けられた。
苦痛に兄さんの顔が歪む。
鶴丸「ｹﾞﾎｯ………ハッ、
やるじゃ、ねぇか。驚いたぜ」
朝霧《そりゃどーも。
さて、もう少し楽しみたい所だが、
祭りが始まってしまう。
お前らの力量なら、今夜の祭りは
盛大に盛り上がりそうだ。
大人しく捕まってもらおうか》
その時、朝霞は何か粉みたいなやつを取り出して
フッと吹きかけた。
するとガクンッと体に力が入らんようなる。
燭台「！？(力が入らない……！)」
朝霧《眠り薬さ。特注なんだ、たっぷり味わえ。
地獄に行く前の夢が良いものだといいな》
『ｯこん、な………粉……燃やし……』
ゆらゆらと眠りに誘うように意識ばぼーとして来た。
あかん、兄さん達を逃さんと。
眠るな……眠るな…………うちのせいで、
兄さん達が………
あの、祭りだけは絶対に避けなあかんのに。
兄さん達は、手入れ道具無きゃ、
怪我は治らへんのにっ！
『(起きろ…………起き、ろ……………)』
朝霧《おやすみ。良い悪夢を》
『(寝たらあかん………あか、ん……の、に)』
嗚呼、またあの光景を見なあかんのか。
仲間が死んでいく姿を、また………見なあかんのか。
嫌や………嫌や…………お願いやから、
言う事聞いてや、体動いてや………
チリン………
倒れた瞬間、結紐にあったうちの鈴が力無く鳴った。
もう、あかん………祭りに入ったら、
ほぼ助からへん………
ご、めん…………みん、な……
Aside〜end〜
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年7月21日 18時
