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+参佰伍拾+ ページ30









『はぁはぁ………!』








遠く離れた場所から重い音が響いてきた。
大砲、と呼ばれるものだろう。

今京の都の一部にて戦が起きている。
その為、いつも賑わう京の町中は静まり返り、
人一人外にいない。


いるのは俺だけで、俺の砂利を踏み蹴る音と
先程から聞こえる戦の音だけだ。









『(どこだ…………どこにいる!)』










??《hello!山野クン》










『!?………ナルギ・クライヤ』









その声は頭上からだった。
声がした方角を見ると、そこにいたのは
洋装の姿をしたナルギだった。

彼は平屋の屋根上で足を組み、
クツクツと笑いを堪えるように笑っている。
だが俺自身、それどころじゃなかった。









『ッ………新選組屯所の正門に置かれた紙はお前か?』

ナルギ《うん?》

『どうして、どうしてお前が“これ”を知っている!?』









グシャリと俺は乱暴に紙を握りしめてその紙を見せた。

くしゃくしゃになってしまったそれは
さっき正門に落ちていたものだった。

その内容は他者には
分からないであろう言葉が綴られている。









『“アルティ”………
これは、蝦夷地に住まうアイヌの言葉だ!!

しかもこの言葉はアイヌの中でも
口に出す事さえ禁じられた古の言葉。

何故お前が知ってるんだ!?』


ナルギ《………やっぱり、君は“それを知っていた”んだね?》

『!』


ナルギ《いやいや、良かったよ。
その言葉が通じなかったらどうしようかと。

成る程ねぇ?》









俺はナルギの言葉に頭が真っ白になった。
しまった………まさかはめられていたのか。

油断していた………
俺は心底自分の失態に嫌気がした。









『い、つ……から…………』


ナルギ《んー。That is difficult……………
“いつから”と言われてもねぇ。

まあ強いて言えば本能?ははっ》


『ふざけるな!今すぐに答えろ!!
答えによってはお前を今すぐに斬り殺す!』


ナルギ《やだなぁ。物騒な事を言わないでくれよ。
俺としては君の存在は好都合だ》









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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす!そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね! (2018年12月26日 15時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです!作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます!これからも楽しみにしております(´∀`*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます!私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年7月10日 16時

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