+参佰肆拾玖+ ページ29
Aside
??「山野君、少し宜しいですか？」
八木邸から出ようとしていた時、
後ろから声をかけられた。
この声は紛れもない、総長の声。
下っぱである俺からしてみれば
まずあり得ない話であり、吃驚して肩が強張ってしまった。
『そ、総長………！』
山南「そこまで驚かなくても良いのですよ？
何も取って食べる訳ではありませんので」
『す、すみません。どうしました？』
山南「少し頼みたい事があるのですが、
倉にある硝子瓶を幾つか持ってきてくれますか？」
『硝子瓶、ですね。分かりました』
確認するように繰り返してそう言うと、
総長は“お願いしますね”と目を細めた。
硝子瓶………は確か前川邸に医療用のあまりがあったはず。
俺は前川邸の倉の記憶を思い浮かべながら、
前川邸に踵を返した。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『確か、ここに……！これか』
ガサゴソと前川邸の倉を探していたら
案外早く見つかった。
埃の匂いと木の籠った匂いが倉中に広がっていて
鼻がムズムズして少し居づらかったが、
早く見つけれたのでほっとした。
硝子瓶が入った箱を持ち上げるとガチャリと
硝子同士がぶつかる音が響く。
…………硝子は貴重だ。
壊れやすいと聞くし、慎重に運ばないと。
そんなこんなで無事に硝子瓶を手に入れたので
倉を少し片付けた後、扉の前に足を踏み入れた時だった。
『！…………今、何か……』
一瞬、本当に一瞬だった。
何かの気配を感じた。
正門、あたりか？よく分からなかったが………
でも確かに今、何かが。
本能的に感じた事なので言葉に表すには難しい。
でも俺の本能が不思議と確信していた。
『………』
硝子を置いてきてから確認してみよう。
あれは何かが落ちる音だった。
何か落ちているかもしれない。
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冷泉 雪桜(プロフ) - ひゃくまるさん» コメントありがとうございす！そうですね。いつか書けたらいいなと思います。これからもよろしくお願いしますね！ (2018年12月26日 15時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひゃくまる(プロフ) - これから山野さんがどんな風に成長していくか楽しみです！作品を読んでて思ったことが山野さんは辛いこととか抱え込んでしまうキャラなのでいつか誰かを頼れるようになるといいですね(*´-`) (2018年12月26日 1時) (レス) id: 057beedb8c (このIDを非表示/違反報告)
なや(プロフ) - 返信ありがとうございます！これからも楽しみにしております(´∀｀*) (2018年12月2日 21時) (レス) id: 47f47e69bf (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんとこの小説を結びつけてくれたのも新選組が紡いでくれた縁だと思います。更新が遅い日々が続いてしまいますがこれからもよろしくお願いします(*´-`) (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 雪桜(プロフ) - なやさん» なやさんコメントありがとうございます！私はただ誰かと共感したくて自己満で書いただけですが、なやさんのような人に読んでもらえるなんて私としても嬉しく思います。 (2018年12月1日 23時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2018年7月10日 16時
