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+弐佰漆拾捌+ ページ38







近藤「うむ。新しい仲間が増えて、俺も嬉しく思うぞ。
阿部君は確か砲術に長けていたな?
隊士の中でも珍しい分野だ。
君の知識はきっと隊の大きな力になるだろう」


阿部「恐縮です」


近藤「そして中島君。
君は俺と同じく、天然理心流の使い手だったな。
あの、山本満次郎大先生の門下生とここで
出会えるとは思わなかったぞ」


中島「………いえ。自分は流れ者。
江戸の八王子治安維持の旗本である八王子千人同心にて
いざこざがありまして………流れに流れ、
ここに辿り着いた所存でございます」


近藤「ははは!父からは山本先生の事はよく聞いていたが、
道場は違えど、同じ流派の使い手である君には期待してる。
新選組を支えてやってくれ」


中島「………は。」


近藤「さて、山野君。君にはこの二人の面倒を見てもらいたい。
山野君は信頼できる。頼んだぞ」


『!はい』


近藤「うむ。ではトシ。
俺は二人を連れて屯所を案内するとしよう。
後を頼んだぞ」


土方「嗚呼」







そう言って、局長は二人を連れて部屋を後にした。

今は副長と二人だけ。
普段の副長なら“他の隊士にやらせればいい”と
おっしゃる筈だが………

局長が副長に“後を頼む”と言って、
副長はそれを承諾した。

と言う事は、他に何かあるのだろうか。









『………副長。俺に二人に屯所の案内を
させなかった理由でもあるのですか?』


土方「話が早くて助かるぜ。
山野、お前に“監察方”から“平隊士”に
一度戻ってもらう」


『!』


土方「嗚呼。勘違いするなよ?“名目上”の話だ。
今回ばかりは平隊士の方が都合がいいからな」


『…………』









平隊士に戻る…………
それはつまり、日々ある巡察にも参加し、
隊内を監視すると言う事だろう。

そうなって来ると、
副長もやはり何か感じたのだろうか。
あの二人に。








土方「……どう思った?」


『………言葉にするには難しいですね。
強いていうと、妙に冷静さを感じたといいますか』


土方「嗚呼。あいつらから胡散臭ぇ箇所が所々ある」


『つまり、今回は平隊士に戻り、
雪村さんを護衛しつつ二人の監視をする、と?』


土方「そうだ。定期的に報告もしてくれ」

『………』








何故、副長は俺にそんな大役を任せるのだろう。
そんな大仕事、果たして俺に出来るだろうか。

今更ながらに、少し不安になってきた。
まだ字は十分に書けないし、
剣もそこまで強い訳じゃない………
俺でいいのだろうか。

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冷泉 雪桜(プロフ) - 風化月下さん» 月下さん、コメントありがとうございます。小説が長くなり過ぎてしまって少し申し訳ないです…………………………楽しんで貰えているのなら幸いですが( ̄▽ ̄;)これからもよろしくお願いします! (2018年2月8日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
風化月下(プロフ) - こんなに長くて面白い小説は初めてです!応援してるので更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年2月8日 19時) (レス) id: 61e3ec196f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年1月12日 19時

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