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+弐佰陸拾弐+ ページ22

沖田side








『沖田さん、お願いがあるのですが…………
久々に、俺に指導してくれますか?』








珍しい八十八君からの申し出に、僕は少し驚いた。


八十八君は自分からはあまり踏み入れようとはしない。
会話の時も、相手に合わせて話す事しかしなくて、
余計な事は話さない。
欲が無くて、時々どこか遠い存在のように感じる彼女。

そんな彼女が、自ら申し出た。
でも彼女が申し出る時は大抵決まっている。


それは、こう言った“学ぶ”時。
左之さんの槍術とか、尾形君の文学と言った
自分に無いものを取り入れる時だけ。

何度かそう言った話を聞いたけれど、
彼女は今まで僕に申し出る事はなかった。


まさか自分に言われる時が来るなんて思わなかった。
ちょっと意外………

少し興味が湧いて、自分の口角が綻びるのを感じた。









沖田「へぇ?珍しいね、君からの申し出なんて。
君って案外好戦的?」


『それは、どうでしょうか。
自分じゃよく分かりません』


沖田「君ってさ、色んな物に無関心だし、
興味なさそうだし…………
欲がない子だと思っていたけど」


『よく言われます…………いけませんか?』

沖田「いや?いいんじゃない?」









僕はそう言いながら、
左之さんに審判をお願いした後、
八十八君と向き合う形で木刀を持つ。

そんな僕に対して、彼女は緊張した面持ちで
頭を下げると、同じように木刀を構えた。


へぇ…………構えが以前よりも様になっている。
眼差しも、前よりも落ち着きが見えるし、

前よりも楽しめそうだなと、
内心そう思いながら、僕は口角を上げた。









原田「二人共、準備はいいな?」

沖田「勿論」

『…………はい』

原田「それじゃ、始めっ!!」









そして、左之さんの合図と共に、
僕は地を蹴った………

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冷泉 雪桜(プロフ) - 風化月下さん» 月下さん、コメントありがとうございます。小説が長くなり過ぎてしまって少し申し訳ないです…………………………楽しんで貰えているのなら幸いですが( ̄▽ ̄;)これからもよろしくお願いします! (2018年2月8日 21時) (レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
風化月下(プロフ) - こんなに長くて面白い小説は初めてです!応援してるので更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年2月8日 19時) (レス) id: 61e3ec196f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2018年1月12日 19時

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