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†漆佰漆拾壱† “不器用な愛を” ページ32

ツムグside








それから数年。
朱鷺は19歳となり、そして審神者になった。
審神者名を“紅羽”と名乗り、
トップ3となるまで立派な審神者に。

だがそれでも感情は欠けたまま。
俺は姉から貰った愛情を、
彼に与えていたつもりだったが、
やはり朱鷺には響かなかったみたいだ。


俺に何が足りなかったのか。
いくら考えても分からなかった。

だが、とある日を境に………
朱鷺は変わりつつあった。



















ツムグ「やあ、紅羽。元気にしていたか」

紅羽「……………」









その日も朱鷺………ここでは紅羽と呼んでおこう。
紅羽は相変わらず無表情ではあったが、
俺を見た時、少しだけ嫌そうな顔をする。

まあいつも表情を変えてくれないから、
俺としては嬉しいが。









紅羽「“朽羽”でいい………」


ツムグ「それは政府が付けたお前の忌み名だろう?
朽ちる羽なんて可哀想だ。

“紅羽”の方がいい。
お前の綺麗な本名にピッタリじゃないか。


なあ?“朱鷺”」



紅羽「本名をここで言うな。そう言う命令だ。
それに俺にはその名は必要ない。
名に美何てあっても意味ないだろう」


ツムグ「相変わらずだな」









紅羽はそんな俺の言葉にすんとしている。

………?あれ、少しだけ表情豊かになったか?
小首を傾げていた時、
ドタドタと世話しない足音がした。









??「ちょっと主!また夜蝶が暴れてるんだけど!!」

紅羽「加州か。どうかしたか」


加州「どうもこうも!夜蝶が和泉守を
こてんぱんに蹴散らしてるんだよ!」←


紅羽「そうか。ツムグ、お前は帰れ。
御用はまだ済んでないだろう」


ツムグ「そうだな。そうするよ」









俺がそう言うと、朱鷺は本丸内へと去っていった。
やれやれと“加州”と呼ばれていた神は肩を竦める。









加州「仲が良いんだか悪いんだか………
えっと、あんたは主の友達………だっけ?」


ツムグ「んー、どちらかと言えば“身内”
みたいなものかな。こっちも色々あるんですよ。
親戚みたいなものです」


加州「ふーん」


ツムグ「所で“夜蝶”とはどなたですか?
朱k……いや紅羽が少しだけ表情豊かに
なったような気がするんですが」


加州「あー、夜蝶は主の弟子?みたいなもの。
最近政府が“審神者育成計画”を立てていて、
夜蝶は“審神者見習い”な訳」


ツムグ「(あいつが、見習いを?)」








珍しい事もあるものだな。

†漆佰漆拾弐†→←†漆佰漆拾†



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(プロフ) - 鶴さんが健気…どうか報われますように (2020年4月12日 14時) (レス) id: e2c5fada44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2020年3月31日 14時

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