【刀剣乱舞】その縁、巡りゆく定め (ページ24)

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†漆佰陸拾参† ページ24

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??《おい、あんた大丈夫か？》

『………ｯ？』

誰かの声がする。
しまった、全然分からなかった。
駄目、巻き込んでしまう。

この声の主が、私が受けた呪いで………
不幸にしてしまう。
でもどうして？黒田の家に人なんか。
ここは、空き家の筈。

嗚呼駄目だ、体が………動かない。

『(目を、覚ま、せ………)』

そして私は意識を手放してしまった。
その直前に聞こえた。
耳元に囁いたのは、誰の声だったか。

とても懐かしい声だった。

───────────────

『つるさん、どうしたの？』

白い神様は、いつも悲しそうな顔をしていた。
その顔は決まって私を見つめる時だった。
いつも傍にいてくれた彼ではあるが、
時折………心ここにあらずと言わんばかりに、
虚無に等しい瞳で、どこか遠くを見ていた。

ガラス玉の様な目は、嘘っぽかった。
でも彼は何も答えてはくれない。
私が声をかけても“何でもない”と、
下手くそな笑顔を向けるばかりだった。

当時の私でも分かった。嘘をつかれていると。
でも一歩踏み出してしまったら、
彼は居なくなってしまう。

きっと、また悲しい顔をする。
そう、幼いながらに感じていたから、
何も………言えなかった。

“Aは上手に歌うなぁ。もう覚えたのかい？”

『つるさん、いつも歌うから』

“ははっ、そうかそうか”

『つるさんは………さみしいときに、
歌えって言ったよね？』

“ん？そうだが？”

『つるさんは、さみしいの？』

“…………”

あの時、彼は…………なんて言っていた、かな。
記憶が曖昧だ。だいぶ小さい頃だったから
無理もないけれど………

とても………寂しそうな顔をしていた、ような。

“夜蝶───”

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