†陸佰玖拾漆† ページ39
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キィと、その時ドアが開かれた。
そのドアに隠れながら、
目を赤くした小さな主が僕を見てる。
僕はしゃがんで、怖がらせないように
笑って話を続けた。
燭台「貞ちゃんと薬研君が
君を心配してたよ。勿論僕も」
『…………』
燭台「騙す形になって、ごめんねって言ってた」
『…………』
燭台「でもね、僕らは本当に君が大切なんだ。
何が何でも、君を守りたいと思ってる。
一緒に居てあげれる時間は少ないけれど、
それでも………君を守りたいんだ」
僕が彼女の小さな手を握ると、
小さな主は顎を引いて、顔を赤くした。
その姿が、可愛く思えて…………
愛おしさが増すばかりで。
こんな時代が、君にもあったんだなと知れて、
内心では嬉しかったんだ。
燭台「未来ではね、君と僕が知り合って、
未来の君が、僕を助けてくれたんだ」
『！私、が？』
燭台「うん。だから、もう一度………
ううん、何度でも言うよ。
君の事は必ず、守るよ。約束する。
今の君が、未来に繋がって……
また君に会えるように」
“燭台切様”
僕を呼ぶ、君に会うために。
『…………私も……ごめん、なさい。
怖かったの。いつも一人だったから。
助けてもらった事がなかったから。
嬉しいのと、悲しいのが………
頭の中で喧嘩しちゃった。
酷い事、言ってごめんなさい』
燭台「うん。じゃあ、仲直り」
『ｸﾞｽｯ…………ぅ、ん』
小さい頃の主は、よく泣く子だったのかな。
いや、今でも…………そうなのかも知れない。
僕達に気を使って、泣くのを
我慢していたのかもしれないな。
優しい、君だから。
『未来の、私は………御用人を続けてるの？』
燭台「そうだよ。
それで僕の願いも叶えてもらった」
『どんな事を願ったの？』
燭台「秘密。それは主が未来で叶えて」
『なら、燭台切さんは………
今、お願いは無いの？』
燭台「願い、か。無いかな。
今が幸せだし、それはきっと自分の力で
叶えなきゃいけない事だから。
強いて言うなら………」
『？』
燭台「………やっぱり秘密」
『ええっ』
“願わくば”
“君が、幸せでありますように”
燭台切side〜end〜
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冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
