†陸佰玖拾陸† ページ38
燭台切side
燭台「も う 駄 目 か も し れ な い」
太鼓「み、みっちゃん元気出しなって！」
薬研「安心しな旦那、
ありゃ人間特有の“思春期”って奴だ」
燭台「それフォローになってないよ………」
主の家の前で情けなくも落ち込んでいると、
貞ちゃん達が励ましてくれた。
あそこまで全否定されたら、ね。
さっきは、悪いことしちゃったな。
そうだよね、返り血なんて見たら
怖がるに決まってるよね………
ここの主、まだ12歳だし。
敵の返り血は放っておけば蒸発して消えるけど、
まだ小さい主には早かったな。
太鼓「まあ、今の主の状態じゃ
家には入れないよなぁ………」
薬研「辺りを見てくる。旦那を頼むぜ太鼓鐘」
太鼓「おうよ」
燭台「…………寂しかった、んだろうな」
太鼓「ん？」
燭台「主だよ。貞ちゃん見たんでしょう？
主が、イジメられてるの」
太鼓「あ、嗚呼………」
燭台「僕らって、本当に主の事………
何も知らなかったんだって、改めて思ったよ」
太鼓「………今だけでも、守ってやりたいな」
燭台「うん」
太鼓「一旦、話してみたらどうだ？」
燭台「でも………」
太鼓「こう言うのは永遠には続かねぇよ。
俺もたまに伽羅と喧嘩しちまうけど、
話して仲直りすりゃあ、どうってことないぜ。
行動しなきゃ、何も始まらないって事さ」
燭台「そう、だね。
うん、ありがとう。貞ちゃん」
──────────────────
家のドアノブに手を伸ばした時、
ガチャっと簡単にドアが開いた。
燭台「(あ。開いてる………)」
結界が張ってある………自分で張ってるのかな。
一応僕らも張ってはいるけど、
ここまで自衛していたのか。
でも開けてあるって事は、
僕達を気遣って、なのかな。
彼女らしい優しさに、少しホッとした。
部屋に入ると、電気が消してあって真っ暗だった。
燭台「………主？」
呼んでみるけど、返事がない。
彼女の部屋であろう場所まで来ると、
すすり泣く声が聞こえた。
胸が痛い。
燭台「主…………」
『ｯ…………』
燭台「ごめんね、主」
『…………』
燭台「怖い思い、させたね。
何もしないから出ておいで？」
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冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
