佰伍拾伍日 ページ6
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??「うははぁー!すごぉーい!!
広いですねぇー!」
??「ちょっと、須磨!人様の御宅なんだから静かにしなっ」
??「お邪魔します」
宇髄殿の後ろから現れたのは三人の女性。
身軽な格好をしていて、立ち振舞からして彼女達も
忍びである事を理解した。
しかし三人共、隠し方が上手いな。
忍びの家系なだけあって、三人共優秀な忍びなのだろう。
宇髄「左から須磨・まきを・雛鶴だ」
雛鶴「宜しくお願いします。あ、こちらお近づきに」
『これは丁寧にありがとう。
どれどれ………ほう、これは噂の“ころっけ”か?
こんな高価なもの貰うのは………』
宇髄「いいからもらっとけって。結構イケるぞー?」
『そうか、ありがとう。あとで頂くことにしよう』
宇髄「にしても、風の呼吸は数えて九つと聞いていたが、
さっきのありゃあ、あんたの技か?」
『まあ、そんなところかな。
元々、風の呼吸法が一番体に合う呼吸法ではあるけど、
嵐のごとく捩じ切るような風を起こす技が多いから、
時々体が持っていかれてしまうんだよ。
自分で戦い方を変える必要があったんだ。
先程繰り出した拾ノ型は一番使う型の技かな』
宇髄「やるじゃねぇか。派手に風の呼吸法を極めてやがる」
『君みたいに新たな呼吸法を生み出す事に比べたら
然程凄いものでもないよ』
まき「でも凄かったよあんたの技!
他の隊士達と交流はあったから、風の呼吸法は見てきたけど、
あれはあんたにしか出来ないだろうさ。誇りなよ、風柱!」
まきを殿がそう言って、バシバシと私の背を叩く。
おおう、宇髄殿の奥方達は個性的だな………
宇髄殿の好みの女性が嫁だろうと思って、
三人共似たような性格かと思ったが、そんなことはないようだ。
まきを殿の勢いに、やや押されながらも
私の力量を認めるように褒めてくれたのは
素直に嬉しかったので感謝の言葉を送る。
宇髄「………興味が出た」
『?』
須磨「え、天元様?」
宇髄「たまにはいいだろう。手合わせ願いたいが、いいか?」
『!…………構わないよ。前線から引いたとは言え、
体が鈍ってはいざというとき動けないからね。
お相手しよう──私も君を知りたい』
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年6月22日 15時