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何が………何が起きた………?








桜雲「………ゴフッ」








突然、帯鬼の体から、まるで脱皮したかのように
腕が生え、斬撃を受けた。









妓夫《おぉ?攻撃ぃ……良く受け流したなぁ??
心臓貫ぬく気だったんだがぁあ………軌道反らしたなぁ?》


堕姫《お兄ちゃんっ》









迂闊、だった。まさか、別の鬼が生えてくるなんざ……
あの帯鬼の体に近づいちまったばかりに。
油断しないようにして、警戒してたってのに。

口から血反吐が出た。傷ついた胸部と右腕を見た。
おかしい。そんなに深い傷じゃねぇ筈だ。
俺は反応できて、受け流した。なのに、血反吐だと……
まさ、か。毒、なのか………?










桜雲「ゴハッ、ゲェッ!ごほごほっ」





妓夫《苦しそうだなァ?色男ォ………ひひひっ、
俺の鎌は毒があるからよぉ………苦しんで、苦しんで、
最後にぁ小便と涎、糞に血反吐を垂れ流して死ぬぜぇ……?》






桜雲「ゔぁ、が…………ぁ、」









目の前が、暗くなる。
立ってられなくなった俺は、思わず倒れ伏した。
毒………強力な、毒。毒の巡りを……呼吸で、抑え………

天元ちゃん、に………毒について、もっと聞くべきだった、か?
嗚呼、成程………こいつはぁ、確かに、上弦の力、だ。
こんなのが後、五体居るって?冗談きついぜ………
道理で、上弦を討てない訳だ………


死ぬというのが分かる。
これから俺が、どういう最後になるのか。

…………ふざけんじゃ、ねぇ。
こんな無様な死に方、して溜まるかクソが。










フゥゥウウッ!










妓夫《?(呼吸音が変わったぁあ……?)》










桜雲「カヒュッ、ヒューヒュー………ゴホッ」










堕姫《!お兄ちゃんの毒喰らって、立ち上がった……》










桜雲「ッ、ラァァア"ア"ッ!!!」










ザンッ!!











毒が巡っちまった右腕はもう使えない。
右腕を斬り落とした俺は直ぐに袖を巻き、
呼吸と共に止血する。

胸部の、毒はどうすることも、出来、ない。
残された時間は、少ない。
だが俺は………









最後まで、桜の如く──










桜雲「負、けだ、負けだぁ………いいぜ、好きにしろよ……

だが役者が、膝をつくことは……あってはなら、ない。
俺は、誇り高く凛と咲き誇る………花柱。
無様は、晒せねェ。食いたきゃ食えぇ………!」













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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年6月22日 15時

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