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ドゴォッ!!








桜雲「チィッ!花の呼吸──【陸ノ型・渦桃】!!」








吹っ飛ばされた俺は、空中で体を大きく捻り、
反転しながら斬り付ける。
花を描くように斬撃を繰り出すと、
目の前まで迫っていた帯を斬りつけることが出来た。

この鬼………無数の帯を操る。
確かに厄介だ。民衆がいる中、
広範囲に繰り出されるこの血鬼術。

民衆を守りながらじゃ防ぎ切れねぇっ。











「何だ何だ!」

「剣舞?」

「何つー色男だ!何かの演出か?」

「!良く見たらあれ、桜雲虎之助じゃないか!?」

「見事な女方を演じたという、あの!?」










堕姫《ッ、何よ腹立つわね。美しいのはあたしの方よ》


桜雲「そりゃ、男も女も虜にしてきた俺だ。
テメェなんぞに負けてりゃ、女方も務まらないんでね」


堕姫《(この大通りで演出として、わざと公にしている!
しかも誰も殺せない!!何て速さよ!
誰も傷つけず、全ての攻撃を防がれるっ。
これまで殺してきたの柱の中でも異質の速さっ)

無駄口叩きやがって………誰に向かって言ってる!》


桜雲「!【弐ノ型・御影梅】っ」










人目に付かない所まで誘導するっ。
下手に避難させて、この女鬼の気に障るような動きを見せれば、
簡単に民衆が殺されちまう。

流石に長くは守りきれねぇ。
民衆を混乱させないよう、民衆の安全が最優先っ。
今回は任務帰りだった為に、隠も近くには居ねぇ。
俺一人で何とかしなくちゃならねぇ。











花信《カァー!》

桜雲「!(花信っ)」

花信《カァー!カァカァー!》


桜雲「(そうだ、逃げろ!ただの鴉のフリして、
小鳥遊に通達をするんだ。隠と共にここに来るように!)」










堕姫《どうしてよ、どうしてよ!!
何で当たらないのよ!!このっ!【血鬼術】──》


桜雲「!(技っ!)」

堕姫《【八重帯斬り】!!》

桜雲「ハッ!品がねぇぜ………!花の呼吸──陸ノ型」











堕姫《(その技はさっき見たわよ!もう見切ってる。
馬鹿ね!そう何度も同じ手は──)》










桜雲「【渦桃・(つら)ね】!!」












俺は技を繰り出し、帯を片っ端から切り刻んだ。
連ねは歌舞伎用語の長台詞の事。
渦桃の技を何度も何度も繰り返して切り刻む技。

歌舞伎の際に使う動きと花の呼吸を合わせた、俺の技。











堕姫《(動きが読めない……!こいつ、こいつっ!
私を利用して、本当に演出として公開するなんて!!)》












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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年6月22日 15時

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