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佰参拾日 ページ31









「珍しくずっと地味にしかめっ面してんなぁ?」








会議を一時解散後、私は考え事をしながら
廊下を歩いていると、背後から宇随殿が声をかけてきた。

彼は気さくに話かけ、ドカリと私の肩に手を回す。
それに動じること無く、私は彼の問いに答えた。










『気になる事があってね。これまでの情報から、
どうにか鬼舞辻無惨の人物像を予測できないものかと』


宇随「やっぱお前、面白ぇなぁ。
普通考えねぇよそんな事。無惨は鬼だ、人じゃねぇ」


『それはそうだ。しかし鬼とて感情を持つ。
人と同じく感情を読めるんだ。
元々人である事は根本的には変わらない。
人物像を推測できれば、奴らの行動も読めるものだよ』











“桜雲殿や悲鳴嶼殿が聞いたら、即否定されるだろうね”と
苦笑すると、宇随殿も“違いねぇ”と笑った。

こういう時宇随殿のような存在が居ると少し心強く思える。
私がしている事、考えている事は間違いではないと
少しでも思えるから。











宇随「お前は間違っちゃ居ねぇよ」

『!』


宇随「きっと、お前みたいな奴が一人くらいは居るんだ。
別の観点から鬼を見ることで、見えなかったものも見えてくる。
俺は嫌いじゃねぇよ、お前の考え」












一瞬、思考を読まれたのかと思った。
宇随殿は相変わらず気さくにそう言って、
私の肩から手を離し、先を歩く。

………私の考えを否定する者は当然の反応。
後ろ指を指される事も多々あった。
お館様はそれを私の強みだと仰ってくださったものの、
やはり、寂しさは僅かながらにもあった。











『…………君が、』

宇随「?」

『君が、そう言ってくれると。救われる』

宇随「………そッ。ならいい」


『………さて、そろそろお館様も来る頃だろう。
最近は立て続けに柱が集められるのが多いね』


宇随「新しい柱が来たんだと。どんな奴だろうな」

『桜雲殿が癇癪起こしそうなのが心配だが』

宇随「悲鳴嶼さんが居るんだし、大丈夫だろー」














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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2023年6月22日 15時

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