佰参拾弐日 風見鶏 ページ29
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今年で十七歳となった。
現在、昨年の年末にて、京都へ遠征に出向いていた
宇随殿と桜雲殿が戻ってきた。
その報告を二人から聞くため、二人と私、
そして悲鳴嶼殿と報告会をするところである。
桜雲「ったく、クソだるかったわぁー。
とゆか、煉獄の旦那は今回も欠席かい？」
宇随「だろうなぁ。まあそうカリカリすんなって虎ちゃんよぉ」
桜雲「虎ちゃん言うなぁ。うち、いちおーあんたより
一回り年上なんだけどぉ？？先輩なんだけどー」
『相変わらず仲が良いね。
君達二人で組むと仕事が早くて助かるよ』
桜雲「あんたも相変わらず人たらしだねぇ」
悲鳴「すまない、少々遅れた」
『いいや、集まったばかりだよ。さあ、始めようか。
報告をお願いするよ』
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宇随「鬼は実際に京都に現れた。
が、やはり数は少ねぇし、下弦の参は居たが、
上弦を見つけることは出来なかった。
もっとも、この下弦の鬼が雑魚共を
使役していたのは確かだったぜ」
桜雲「………上弦も居た可能性もあったが、
流石、百年以上姿見せず、数多の柱を屠っただけある。
身を隠すのが上手いんだろうさ。
へまするのは大体、不細工な雑魚鬼だろうしねぇ」
悲鳴「ふむ………鴉の伝達により、小鳥遊から
下弦を斬った事は知っていたが……
その鬼達が何をしていたのか、検討は？」
宇随「いや、吐かなかった。
どういうわけか、奴らは無惨の名でさえも口にしようとしない。
それどころか、妙にビビり散らかしていやがった」
『恐れを……？』
桜雲「嗚呼。思えば、無惨の情報を
手下の雑魚鬼達が話したことはなかったな。
と、なれば………裏を返せば無惨に大きく関わる事を
してたって感じだね。当たり前だが。
だがこんな大々的に行われた事なんてなかった」
『………そちらで動いている間、
陽動の線も考え、こちらも各調査を行って来たが、変化はない。
やはり京都に目的があったと考えていいだろうね』
宇随「だろうな」
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2023年6月22日 15時
