元社畜。異名リリスとなり、お気に入りの愛を探します。2

知らない記憶に動き始める歯車 ページ25

ヒュー〜……ドパンッ！

『綺麗……』

花火なんていつぶりだろうか。会社にずっと勤めてて花火なんてずっと見てなかったからな…こっちでも見られて良かったな。

でもやっぱり…あの子と見たかったな…

『(いやいやいや、あの子って誰よ。さっきからホント調子が狂う……最近知らない誰かを思い出してばっか…いや知らないのに思い出すとか意味分かんないし。あぁ…25のいい年した大人が今頃厨二病か……絵面キッツ…)』

いや、側から見たらただの生徒か…紛れ込める私ってある意味才能よね………

『(寝たといえど疲れはまだあるし…そういや、ジャズ君にMINEしとこ。肩貸してくれてありがとって。そういや悪魔って結構大人びて見えるけど…実際の年齢っていくつなんだろ？聞くのも失礼だし平均寿命くらいは調べておくか)』

こっちに来てから知識欲や睡眠欲が強くなったな〜…食欲は入間の見てたらすぐお腹いっぱいなるからそこまでかな？

『(悪魔って欲に忠実らしいからね。周りに馴染んできたって事でいいのかな…？いや、いいのかは知らんけど)』





彼女はまだ知らない。


自分の人生を動かす歯車は


すでに動き出している事。


無自覚のうちに己の欲と素質が


生まれ始めていることを


そして、それを知ることが間近だということを



まだ、知らない。

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