元社畜。異名リリスとなり、お気に入りの愛を探します。2 (ページ13)

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誰にだって悩みくらいはあるページ13

「もしかして自分の実力気づいてない？」

『いや…そもそも私の位階(ランク)も可笑しいんですよ。そんな高いわけがないんです。むしろ1(アレフ)が妥当…それに他にもすごい人っているじゃないですか。アズも炎の温度調節がちゃんと出来るし、クララも家系能力扱うの上手だし。それなのに魔術の調節もできないじゃないですか。だから可笑しいんです』

そうだ。私になんて位階5(ランクへー)なんて相応しくない。リリスの異名も全部、全部

相応しくない。

「ん〜……それだったら今頃1(アレフ)とか2(ベト)になってるよ」

『え…』

「カルエゴ先生って評価も厳しいし、自分のクラスの生徒にも分け隔てなく厳しいから相応しくないと思ったらすぐ下げると思うよ！でも下がってないっていうことは相応しいと評価したから今の位階(ランク)のままなんだよ。それにまだ君は1年生。伸び代はまだあるしまだまだ実力も上がる。それと共に位階(ランク)も上がるから大丈夫だよ！それに見た事ない魔術を生み出すというところでまた評価されるからもっと自信持ちな！」

僕からしたら十分相応しい位階(ランク)だと思うよ！！

そんなことを言うダリ先生が一瞬。誰か〝知らない人〟と重なった。飛行試験の時、入間の指輪から黒煙が出た瞬間に流れた人物の1人とよく似た。ただ分かることは一つ。

『(なんで懐かしく感じるんだろ…)』

まるでずっとそばに居たような暖かさ。

「ちょ、大丈夫？僕気に触ること言っちゃったかな」

『え……』

「いや、だって涙…」

『あ…ほんとだ。すみません。そういう訳じゃないです。なんか…誰かと重なったような気がしただけです』

「僕が？」

『ん〜思い出せないんですけどね。なんかこう、ふわっとしか浮かばなくて。だけど懐かしさ？を感じるっていうか……なんというか…』

なんていうか…記憶が一部かけてるけど思い出す直前みたいな？そんな感じ。

「それってごく一部の悪魔にたま〜にある先祖の記憶がフラッシュバックする現象じゃない？」

『そういう現象あるんですか？』

「なんかたまにあるらしいよ。まあ、珍し過ぎて本当にあるか分かってないんだけどね」

『えぇ〜……』

「でも、とある一説によると魔王デルキラ様とその側近の護衛だった人があったっという噂はあるね」

『そんな凄い人が…！』

「そ！それで…」

そんな話をしていたら抱えてた悩みもスッとなかったかのように忘れていた。