EPISODE 0-9 ページ10
お風呂に入り終え、談話室に戻ると薄紫色の髪がソファの背もたれから見えた
｢隣、良いかしら？｣
そう言うと、青みがかった緑色の円な瞳が私を移して大きく開いた
｢ど、どうぞ｣と慌ててスペースを空けてくれる彼に｢ありがとう｣とお礼を言って隣に腰を下ろした
｢初日から大変だったわね｣
？｢えっと……あなたは？｣
｢あぁ、ごめんなさい。
私はA、よろしく｣
ｴﾍﾟﾙ｢僕はエペル･フェルミエ。
よ、よろしくお願いします、Aさん｣
少し戸惑いながら、ペコリと頭を下げるエペル
｢あら、敬語じゃなくていいわよ｣
ｴﾍﾟﾙ｢え、でも……｣
｢貴方、堅苦しいの苦手でしょ？｣
私がそう言うと彼は驚いて｢なしてわがった？！｣と声を上げた
その後に、ハッとした顔をして咳払いをし｢どうしてわかったの？｣と聞き直してきた
｢今日の貴方の言動、行動を見てたら分かるわよ。
そして微かに香る土と林檎の匂い、さっきの言葉からの農作村の出身かしら？｣
ｴﾍﾟﾙ｢凄い！そんなことまで分かるの？！｣
｢あら、当たってた？｣
ｴﾍﾟﾙ｢うん。
だから僕、貴族のルールとか食事の仕方とか全然分からないんだよね…｣
と、エペルが愚痴を零す
周囲の【高貴な一族のご子息】と言う思い込みが初日から彼を不安で呑み込んでいるようだった
｢私で良かったら食事の仕方とかルール、教えられることなら教えて上げるわよ？｣
ｴﾍﾟﾙ｢ほんと？！｣
｢えぇ｣と返すと、エペルは笑顔で｢ありがとう！｣とお礼を言った
そんなエペルが可愛くて頭を撫でる
ｴﾍﾟﾙ｢A…？｣
｢ごめんなさい、嫌だった…？｣
ｴﾍﾟﾙ｢んーん、嫌じゃない。Aの手、冷たいね｣
彼にそう言われてハッとした。
｢(お風呂上がりだからと油断した…。
浮かれていたのかしら…)｣
エペルの頭から手を除け、自分の手に触れる
既に【冷気】が戻りつつあった
ｳﾞｨﾙ｢ちょっとアンタ！
髪の毛は乾かさないと痛むっていつも言ってるでしょ！！｣
突然後ろからヴィルの声が聞こえ、それに驚いた私達は肩が跳ねた
ｴﾍﾟﾙ｢僕はそろそろ寝るね。
おやすみなさいA、寮長｣
そう言ってエペルは部屋へ行ってしまった
振り返ると目を釣りあげて鬼のような顔をしたヴィルが私のことを見ていた
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哭狼 - 美のプロフェッショナルに挟まれた美人夢主とか眼福な、空間が出来てると思うと絵画になりそうで想像するだけで麗しいですね。作品とても面白かったです応援してます！ (2020年6月21日 15時) (
レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
コシヒカリ。(プロフ) - ラムさん» 読んでいただきありがとうございます。亀更新になってしまいますが、手は抜かず皆様に楽しんで頂ける作品にするつもりです。暖かく見守っていただければ幸いです (2020年5月31日 21時) (レス) id: a89ecb096c (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い続きが気になる (2020年5月31日 20時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
コシヒカリ。(プロフ) - メメメさん» 嬉しすぎる感想をありがとうございます！これからもメメメさん含め読者の皆さんが楽しんで頂ける小説にしたいと思います！更新頑張ります！ (2020年5月30日 21時) (レス) id: a89ecb096c (このIDを非表示/違反報告)
メメメ - お話の一つ一つの言葉選びから、話の構成から、全部好きです。 このような神作品に出会えて幸せです。 更新を応援しています(*´∀｀*) (2020年5月30日 20時) (レス) id: 601870513e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コシヒカリ。 | 作成日時：2020年5月28日 20時
