五色兄妹物語*6

物語217話 ページ7

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月「おい五色」


『なに』


月「お前じゃない ややこしい」



[双子(兄妹)でのこのノリは一日に何回もやるとうざがられるから控えよう!]




月「何しに烏野まで来たのさ」


工「Aの事が心配だから迎えに来た」



月「ほら五色 飼い主が迎えに来たってさ」


『飼い…』



月島の私への扱いが酷いと思う。


工も、【妹→ほっとけない、守る!】みたいな概念は捨てなよ

周りからみれば超過保護なんだってそれ



工「あと、月島」


月「何」


工「昨日は本当に悪かった… あと、Aを探してくれてありがとう

　それと 勝手にAを連れ帰ってごめん、理由も言わずに…」



『工…』



私が根気強く謝りにいった意味…


まあ、工も成長したねって事でいっか




月「理由はこっちの五色から聞いたよ 大変だったね」
　


工「……」



工に「何勝手に言ってんだよ」みたいな顔で睨まれる


じゃあ お前が言っとけよ




工「いや 手術も無事終わったみたいだし、」


『えっ!?』



驚いて、思わず声が出る


鞄も肩からずり落ちる




工「知らなかったの?」


『知らない… 手術終わったんだ、よかった』



工「まだ意識は戻ってないし、これからどうなるかは
　分からないけどな」


『そう、だね でも本当によかった…』




手術が無事終わっただけでも

麻理は本当によく頑張ったねって、心の中で褒めて



不安がひとつ取り除かれたかのように


心がすっと落ち着いて

安堵する




けど、私は知らなかった


麻理が刺された理由を


これからその真実が明かされたときに


15年も繋いできた兄妹の絆が簡単に引き裂かれてしまうことなんて。

　

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