五色兄妹物語*6

物語249話 ページ39

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影「うし 戻るぞ」



そう言い立ち上がる影山



『!? もうちょっと休みなよ、まだ2分も経ってないよ』



顔打って鼻血まで出たんだから

普通鼻血が止まるまでは安静に…



影「…」ｽﾞﾎﾞｯ


『プフッ』



なんと鼻に丸めたティッシュを突っ込み

そのまま部屋を出ようとしている影山


そりゃもう可笑しくて笑う



『かげやまっ… ダメだってそれw』


影「もう止まった これでいい」


『止まってないの! いいから座って』


影「…」



渋々イスに座る


影山に向き合うように立つ



『そんなに焦んないで』


影「…」



『今の烏野は弱くなんかない。影山も分かってるでしょ

　皆、勝つために影山の居ないコートで今、必死に繋げよう
　と戦ってるんだよ

　菅原先輩と交代して、帰ったら負けてましたなんて有り得
　ないからね、だから大丈夫』



影「…そんなの、ちゃんと分かってる」


『そ、』



影「俺は、早くコートに戻って試合がしたい」


『! そーゆうとこ、日向とそっくりだね』


影「日向と一緒にすんじゃねえ」


『そんだけバレー馬鹿だってこと』




…



鼻血も止まり、痛みも引いたので体育館へと向かった



『じゃ、いってらっしゃいッ』ぽん


影「おう」



背中を押して見送った



階段を急ぎ足で上がり

ふと自分の手のひらを見つめた



『……』



影山の背中

かなり力込めたと思ってたのに


“ぽん”って優しい音しか鳴らなかったな


　

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