真紅の薔薇が40輪 ページ13
･
──────────
部屋に戻って暫くゆっくりしてから
シャワールームに行く。
そこで談話室を通ってしまったが最後。
3人の目はキラリと光った。
そうしてまた詰め寄られる。
体調は悪くないか、お腹は空いたかどうか。
それどころかシャワーまでも。
｢入り直しじゃ！！
髪をしっかり洗う！！｣
｢えぇ……｣
｢もう一度！！｣
｢はあ……｣
｢まだダメだっ！
…って、なんじゃ二人共。｣
シャワーを浴びては却下される。
3度目にダメ出しをくらいそうになった時、
シルバーとセベクがリリアの手を引いた。
｢リリア様！
妥協しておいた方が宜しいかと！！！｣
｢母親殿が人を殺めそうな目をしておられます…｣
｢……確かにそうじゃな…
コレで良いぞ。｣
そのリリアの一言をどんなに待ち望んでいたことか。
直ぐさまシャワールームから部屋に駆け込んだ。
──────────
｢人を殺めそうな目をしていたと言われたな…｣
｢清々しい笑顔で何をバカなこと言ってんのよ。｣
そして……と続けるヴィル。
｢…『何度も洗われる雑巾』…ね。
アンタの表現の仕方って、独特。
それが良いのか悪いのかは置いておくけど。｣
それって……
｢褒めておるのか？｣
｢だから、そこは置いておくって言ったじゃない。｣
｢……褒めているのだな！｣
｢ポジティブシンキングすぎるのも、どうかと思うけど。
さあ、早くしなさい。
本気で遅刻するわ。｣
はいはい、と返事をしたらまたお咎めを食らった。
むむ…
｢ねぇ、机に引っ付いてないで。
強引にも連れて行くわよ。｣
程よく冷えた机に張り付いていると、
無理やり剥がされる。
｢痛いっ！腕がもげる…｣
｢だから早く行くって何度も言ってるでしょう？｣
仕方がないなと諦めて、廊下へ出た。
まだピリピリしていそうなヴィルに、口だけの謝罪を。
｢ゴメンなさいってばさ…｣
テキトーであるという魂胆が見えたのだろうか…
｢口は動かさなくていいわ。
その短い足を動かして。｣
綺麗な目で鋭く睨まれる。
端正な顔立ちの者に睨まれるのは
どうにも居心地が悪い。
｢身長が低いのだからしょうがあるまい……｣
ささやかな抵抗は、しておいた。
殆ど引き摺られながら、運動場に着く。
そのお陰で、先生に怒られずに済んだが腕が痛い。
あぁ……いつまで痛いのだろうな。
地味に力強いんだからな、あやつ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らび - ｳ“ｩ”ﾝ“好きです!! 好きです!!! (( (9月17日 17時) (
レス) @page48 id: 8bf3f09ffa (このIDを非表示/違反報告)
テトラネオン - 来世は天海くんと最原くんのかれぴになりたいさん» あ、ありがとうございます…！これからも可愛い主人公くんの学園生活を見ていただけると嬉しいです！ (2021年7月26日 9時) (レス) id: 4b86074b33 (このIDを非表示/違反報告)
来世は天海くんと最原くんのかれぴになりたい - あーーーーーーー夢主くん可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いカワイイすき (2021年7月25日 16時) (レス) id: 06f475297c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：テトラネオン | 作成日時：2021年6月20日 0時
