【百四十話】考えすぎる性格。 ページ26
.
先刻の胸騒ぎとはこれだったのか…いや、絶対に違う。
ふるふると頭を振り男の子の親探しに集中する。
因みに男の子は泣き疲れたのか俺の腕の中でぐっすり。少し前までは「ママぁ…」と泣きながら一緒に探していたのんだけど、この歩く度にくる振動がちょうど心地良かったのか気付いたら寝ていた。おかげで腕がそろそろ限界だ。
子供の重さに少し驚いている。あと暖かい。子供体温ってホッカイロみてぇだな。
「うーん…母親の服装とか聞いても桃色のスカートしか言わなかったし…そんな人山ほどいるし…」
あっちもあっちでこの子を探しているかもしれないからこの広いヨコハマを走り回っているだろう。バッタリ会う、なんて難しい。
もう警察に任せた方が早いのではと思うが…あとこの辺り一周してからにしようと男の子抱き直す。うっかり落としちゃったテヘペロ、とかなっちまったら最期。
深呼吸を繰り返し歩き始める。
______
____
__
「本当にこの子親と逸れたのか…？こんなに探していないなんて可笑しいだろ…」
一時間程街中を歩き回っているが見つかる気配が一切ない。迷子の放送も聞こえねぇし俺の心は折れかけ寸前まできた。あ、腕も。
息をする様に「しんど…」と口から出た言葉。そんな言葉も聞こえないと言う顔で眠っている男の子。
一旦休憩とベンチに座り男の子を寝かせ、俺の着ていたパーカーを蒲団がわりにとかける。
「あー、今頃俺が居ないって事バレてるだろうなぁ。怒られるかなー？でも太宰さんならこれも予想通りの行動だ、とか言って軽く国木田さんあたりに怒られる程度で済む…軽くなわけないか」
溜息を吐き、うーんっと背筋を伸ばす。パキパキと骨が音を立てた。特に腰。
此の儘この子を抱っこしたままヨコハマを歩くなんて流石にしんどいし俺等にはそこまで時間がない。親を探して見つけたいが…如何しよう。
警察に今行って、お願いしまーすとこの子を預けても首を傾げて「何で寝ているの？」ってなるだろう。暫く俺自身で探してその間に寝ちゃったんですって言っても信じてくれるか…。何か金目の物を盗んだり、無理矢理寝させて…と警察は深読みするかもしれない。……最後のは考えすぎか。
生憎今自分は探偵社だと証明するものを一切身につけていない。だから探偵社の者だと言って安心させれない。
一旦起こしてから警察に向かうとするか…。
男の子の躰を揺らそうと手を伸ばし、
「その男の子は…だぁれ？」
【百四十一話】絶体絶命、主人公ピンチ。→←【百三十九話】迷子、迷子。君は何処の子、何処の子？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 304人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠中(プロフ) - 貴方様の作品､とても楽しく見させてもらっています！文才とか文才とか文才とか()とにかく！素敵な作品です､これからも更新頑張ってください､待ってます！！！ (2017年10月16日 0時) (
レス) id: 85b8b74290 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ！(プロフ) - 黒ゴマクリームさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません( ; _ ; )二号くん、私も大好きです。自キャラ大好きマンなので( 笑 )全員唖然としてじっと見てる映像が流れました( 笑 )リクありがとうございます！次の番外編で書かせていただきます！ (2017年9月12日 19時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
黒ゴマクリーム - とても面白いです！というか、2号君カッコよすぎます///2号君のイケメンエピソードはHeyC'monです！！リクエストなんですが、番外編でみんなで旅館に行ったら風呂で2号君の筋肉＆色気がやばい！みたいな感じの見たいです更新頑張ってください！ (2017年9月10日 17時) (レス) id: 9fe09aed16 (このIDを非表示/違反報告)
sayakafujino30(プロフ) - いえいえ、焦らずに頑張ってください。これからも作者さんを応援しています。 (2017年8月2日 19時) (レス) id: 16a7c15423 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ！(プロフ) - sayakafujino30さん» 済みません今気づきました( 汗 )ポートマフィアと仲良く…何だかほんわかしそうな話ですね(´∀`)少し検討させていただきます！リクありがとうございます！！ (2017年8月2日 19時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：世界のバカっこ
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年2月3日 0時
