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あの日の仕事以来か、私と中原さんは最低限の会話しかしなくなった。

お菓子も渡さなくなり、部屋に頻繁に行くことも無くなり、遂に中原さんは私の事をA。ではなく柊。と、以前の様に呼ぶ様になった.




『…そんなに俺の事が、怖いか? 』




直ぐに「違います」と否定すれば良かったものの、私は答えるのを躊躇した。
何で…直ぐに云えば、こんな事にならなかったのに。

あの日の意気地なしの私を殴り飛ばしたい。



はぁ…と溜息を吐き、資料を持ち直す。
中原さんの部屋に行くというのに私の気分は下がる一方。少し前の私とは大違いだ。



中原さんの部屋に着き、ノックをしようとした時、ピタリと私の腕は止まった。

中から中原さんと女性の声がしたからだ。









女性「中原さん最近甘い物が食べたいって聴いたんで、中原さんの為に作ったんですぅー」



中原「俺の為に…か? あ、あぁ…ありがとな」



女性「此の子、中原幹部の事が気になって気になって、普段滅多にお菓子なんて作らないのに作ったんですよー」



中原「なンかワリィな」









キャッキャと女の人と中原さんが楽しそうに話している声。

腕が自然と下がった。
来た道を早足で引き返す。



気が付いたら私は非常階段の隅でうずくまっていた。


そうだよね。浮かれてた私。自分だけ名前呼びされて憂鬱感に浸かってたんだ。

莫迦みたい。



中原さんは私みたいな意気地なしより、積極的な女の子の方が好きに決まってる。私なんて元から眼中にすら入ってない。

夢の見過ぎ。
悪い夢の様で、良い夢の見過ぎ。



立ち上がり又中原さんの部屋に向かう。

未だ女性達の声は聴こえるが無視してノックを三回。そして「柊です」とぶっきらぼうに云い、中に入る。

私の顔を見た女性二人は厭そうにして、中原さんは少し驚いた顔をしていた。









「今日の仕事の分は終わらせました。では」



話す事なんて無い。
紙束を机の上に置いて帰るだけ。




中原「A…柊」




中原さんが私を呼んだが、私は一礼だけして部屋を出た。


一瞬、名前で呼んだのに、如何して……苗字に云い変えたの…?
辛いよ…矢ッ張り……。失恋だよ…こんなの。


初恋は失恋し易いと云われるが、そうみたいだ。

実際に私が失恋しかけている。

涙が頬を伝った。

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重力遣い - 楽しく読まさせて頂きました! (2017年8月11日 13時) (レス) id: 0860c9172b (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ!(プロフ) - アリア・パルシェさん» 何百もある文スト作品の中でこんな私の作品が一番好き…ですか?嬉しすぎて塩水が…。゚(゚´Д`゚)゚。テストも次回作も頑張ります!!最後まで読んでいただき有難うございました!! (2017年2月15日 22時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ!(プロフ) - 未来さん» 中也さんはイケメンなのです(真顔)最後まで読んでいただき有難うございました!! (2017年2月15日 22時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ!(プロフ) - 冬椿 秋楓さん» 柊ちゃん嬉しくて喜んでます。中也さんと。他の作品も頑張ろうと思います!!最後まで読んでいただき有難うございました!! (2017年2月15日 22時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)
世界のバカっこ!(プロフ) - 如月白蘭さん» 女の子であればみんな小さくても恋心を持っている。その恋心を揺さぶれて嬉しいです(笑)最後まで読んでいただき有難うございました!! (2017年2月15日 22時) (レス) id: 391940a815 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:id | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年1月27日 0時

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