you seem distracted ページ4
「ノンッ!!」
突然の大声に、おれは思わず肩を揺らした。
「何だね今の不恰好な踊りは!ターンの軸が振れている!」
「にへへ…お師さん、ごめんなぁ〜…」
怒ってる顔も魅力的やな、なんて思いながら、お師さんへ向き直る。
「まったく…今日はどうしたのだね。心ここに有らず、という様で集中出来ていないじゃないかッ!」
心ここに有らず、かぁ…。
そういえば今日は、授業中も、レッスン中もずぅっとAちゃんの事考えとったかもしれんなぁ。
まだ校内に居るんやろか?
いや、でももう外も暗いし…。
「影片ッ!!」
再びお師さんが怒鳴った。
その声のトーンに、思わず『あ』と声が漏れた。
✩
「……僕が指導して居るにも関わらず、今日の転校生の事を考えていたのかね。」
「………うん」
「…まったく。」
……めっちゃ怒られたぁ…。
『操られているだけなのに、何故失敗をするんだッ!』
『余計な思考を持って踊るんじゃない!』
『そんな様だから無様に嘲られるのだよ!』
「…でもなぁ、ほんとに綺麗な子だったんよ」
思い出しただけで心臓がぎゅってなるんや、と続ける。
「不埒者…羽風も似た事を言っていたのだよ。僕からしたら、思考の妨げになって不快だけれどね。」
「お、お師さんも絶対好きなタイプやって!」
今回は肯定されると思ってたのに、あっさり否定され、思わずムキになってしもた。
「…僕はまだ彼女を知らないからね」
声を荒らげたおれとは対照的に、お師さんは静かにそう言った。
「もうこんな時間だ。帰宅の準備をしたまえ。」
僕は先に帰る。
そう言ってお師さんは練習室を出た。
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粟羽(プロフ) - 風羽さん» ありがとうございます!!そう言っていただけるととても励みになります〜〜!期待を裏切らないよう頑張りますね!(*'∀'人)*° (2017年12月10日 13時) (レス) id: 120ab8b8b9 (このIDを非表示/違反報告)
風羽(プロフ) - はじめまして。この小説とても面白くて気に入りました。更新大変だと思いますが頑張ってください!応援してます! (2017年12月7日 23時) (レス) id: 088a42be71 (このIDを非表示/違反報告)
粟羽(プロフ) - catさん» わ〜〜!!ありがとうございます!あんスタの小説は初めてだったのでどんな反応が来るか不安だったんですけどそんな嬉しいお言葉を頂けて感激です!ありがとうございます〜〜!!! (2017年11月24日 7時) (レス) id: 120ab8b8b9 (このIDを非表示/違反報告)
cat(プロフ) - 初めまして!すごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新、頑張って下さい!応援してます! (2017年11月24日 1時) (レス) id: 020df30820 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粟羽 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年11月23日 17時