really? ページ18
♩
「…ねぇ、サリ〜…これ、どういうこと……?」
「……遅かったか」
一瞬だけど、少し迷惑なくらいの音量で音楽が流れて何事かと音の出処へ出て行ったスバル。
それを追いかけて俺もつい来てしまった。
部屋の中から聴こえてくる声に耳を澄まして、今に至る。
「ホッケ〜、S1はいつって…」
「2週間後、だな」
俺達には、色々あって「S1」という大舞台が待っている。
それには、是非Aにも力を貸してもらいたいと4人で考えていた。
一応、今日それを伝えるはずだった。
…なのに、別のユニットの練習に行っちまうし、変な約束取り付けちまうし───あぁもう!
そう頭を抱えていると、真横でその練習室の扉が勢い良く開いた。
「A〜っ!!」
ずっと困惑していたスバルは何の躊躇いも無く飛び込んで、中にいたAに抱きついた。
『!』
そんなそいつを受け止めようとして、失敗して倒れるA。
そして、Aを支える────みか。
『わかったよ氷鷹くん!このユニットはたぶん───』
「『Valkyrie』か…」
いちおう、クラスメイトの所属するユニットだ。知らないということはない。
でも、しばらく本格的な活動はしないんじゃなかったか?
「A、ここの専属プロデューサーになっちゃうの?嫌だぁっ、俺達を見捨てないで〜!」
そうやって考え込んでしまっている俺のことなんか気にせずに、スバルは駄々をこねるガキみたいに喚き散らす。
『あ、あの、明星くん……』
「なんなのだね、君は」
Aが身動きが取れなくなるほど騒ぐスバルに、ぞくっとするほど威圧感のある声が落ちた。
「君がこの少女とどんな関係なのかは知らないが、今此処は『Valkyrie』の場だ。早く出て行きたまえ!」
そう一喝すると、そいつはスバル…そして、部屋の隅から見ていた俺を睨みつけた。
「……スバル、戻るぞ」
「…うぅ、A〜……」
その声に怯んじまったのか自分でもわからないけど、ここは引き下がるしかないと思い、Aからスバルを引き剥がして練習室を後にした。
『…明星くん、衣更くん……』
その時、心配そうな顔で見つめるAと、
────どこか満足気な表情で俺達を見る、みかが見えた。
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粟羽(プロフ) - 風羽さん» ありがとうございます!!そう言っていただけるととても励みになります〜〜!期待を裏切らないよう頑張りますね!(*'∀'人)*° (2017年12月10日 13時) (レス) id: 120ab8b8b9 (このIDを非表示/違反報告)
風羽(プロフ) - はじめまして。この小説とても面白くて気に入りました。更新大変だと思いますが頑張ってください!応援してます! (2017年12月7日 23時) (レス) id: 088a42be71 (このIDを非表示/違反報告)
粟羽(プロフ) - catさん» わ〜〜!!ありがとうございます!あんスタの小説は初めてだったのでどんな反応が来るか不安だったんですけどそんな嬉しいお言葉を頂けて感激です!ありがとうございます〜〜!!! (2017年11月24日 7時) (レス) id: 120ab8b8b9 (このIDを非表示/違反報告)
cat(プロフ) - 初めまして!すごく面白いです!早く続きが読みたいです!更新、頑張って下さい!応援してます! (2017年11月24日 1時) (レス) id: 020df30820 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粟羽 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年11月23日 17時