ごじゅうろく 。 ページ11
Side,S
どうせ今日も旭とAちゃんはどこかでお話してくるんだろうなー、という予想は裏切られて すぐに戻ってきた旭。
どうしたんだよ、と聞くと 今日は眠いから寝ることにしますって言われちゃった、と残念そうに旭は笑う。
「 振られてやんのー 」
「 そもそも誘ってもないからなぁ… 」
「 旭はまずその消極的なのどうにかしたら? 」
「 でも、無理に付き合わせるのも悪いなと思って… 」
そう言って もそもそと布団に入っていく旭。
寝るの?と問うと、俺も眠いから寝る、と。
影山と日向の変人コンビも既に寝ているし、遊び飽きたのか田中たちもトランプをしまっているしそろそろ寝るぐらいの時間なのだろう。
といっても俺はあんまり眠くないしなぁ…
けど、ここに居ればあと少しで電気も消されて寝る流れになるだろう。となると、取る行動はひとつ。
「 大地ー、俺ちょっと外出てるわ 」
「 ん?おう、あんま遅くなりすぎんなよ 」
「 りょーかい。寝るってなったら電気とか消してていいから 」
おやすみー、と 手を振って自動販売機の所へと向かう。近くにベンチもあるし電灯や自販機の明かりで夜でもある程度の明るさが保たれてる事から、そこは合宿所で寝られない奴らの溜まり場となっているのだ。
まぁ、基本一日中動き回るし、大体の奴らはすぐ寝るんだけど。
すたすたとそこに歩いていくと、淡い光に照らされている人影が見える。誰も居ないと思っていたからびっくりしたけれど、よく見るとその影は旭の言う通りでは部屋に居るはずの後輩のもので。
ココアを両手に持って、ぼうっと空を見上げているのは なんだか絵になっていて近寄り難い。
やっぱ戻ろうかな、と思った所で 足元に落ちていた木の枝かなんかを踏んでしまったのか じゃり、と音が鳴る。
その音にはっと反応した彼女はこちらを向いて、俺を確認すると ほっと安心したように笑った。
ここまで来たら戻る訳にも行かないだろう。
眠れないの?と笑いながら、彼女の元へと歩いていく。
「 そうなんですよー。さっき騒ぎ過ぎたからですかね 」
「 騒いでたのは2年の奴らだろ、良かったね巻き込まれなくて 」
「 縁下先輩が守ってくれました 」
「 ありゃ間違いないわ 」
田中と西谷にもみくちゃにされていた縁下を思い出して無意識に苦笑いが零れる。
俺は自販機にお金を入れて、珈琲のボタンを押すと一人分開けてくれていたベンチに腰掛けた。
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ユキヒメ - 旭さんが二推しで、探してたら見つけて一気読みしました!更新待ってます! (2021年5月7日 20時) (レス) id: 19f1affe62 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 見つけた瞬間から一気読みしちゃいました!続きが気になってキュンキュンしまくってしまいました!更新大変でしょうが頑張って下さい! (2020年12月15日 1時) (レス) id: 960a4eb808 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちは!初めまして^^旭推しです☆この小説で前より好きになりました(*´ω`*)読み進める手が止まらず…一気読みしてました(笑)もう一周しようと思ってます(笑)それぐらい、大好きな作品です(*Ü*) (2020年7月15日 15時) (レス) id: aab7ed587a (このIDを非表示/違反報告)
カナタ - 主人公ちゃん可愛い!!旭さん推しなんですけど、ほんと可愛いくてカッコよくて…!2人がすれ違うとことかすごくムズムズしたけど、頑張る主人公ちゃんと旭さんにきゅんきゅんしました/////周りの会話もめっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月14日 17時) (レス) id: fc99185244 (このIDを非表示/違反報告)
佐野陽(プロフ) - ヒマリさん» お返事遅くなってすみません。コメントありがとうございます!自分の好きなキャラの魅力を少しでも伝えられてるようでとても嬉しいです!これからもキュンキュンを届けられるよう頑張ります! (2020年4月18日 6時) (レス) id: 5b9b2f32d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐野陽 | 作成日時:2020年4月9日 5時