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33話 加筆修正 ページ35

敦さんは不思議な顔で視線を月に移した。


「君が街に来たのが二週間前 虎が街に現れたのも二週間前 君が鶴見川べりにいたのが四日前 同じ場所で虎が目撃されたのも四日前」

「国木田君が云っていただろう。『武装探偵社』は異能の力を持つ輩の寄り合いだと。巷間には知られていないがこの世には異能の者が少なからずいる。その力で成功するものもいれば____力を制御できず身を滅ぼす者もいる」

「大方 施設の人は虎の正体を知っていたが君には教えなかったのだろう」


悲鳴をあげて人から獣へと変わりゆく敦さん。
みるみるうちに白虎へと変貌した。
虎は獲物を見つけだした黄色の瞳になった。
普通の動物園にいない神秘的な雰囲気を纏っている。
袁傪はこんな虎を見たのだろうか。変わり果てた友人の姿を。


「君だけが解っていなかったのだよ 君も『異能の者』だ 現身に飢獣を降ろす月下の能力者____」


そう云うと虎は飛んで襲いかかってきた。
体長のでかさに驚く。

私は身の危険を察知し勢い良く座っていた箱から飛び降りた。
虎は大きな躰を活かし着地した勢いで地面に大きな亀裂が出来た。
数秒もしない内に私が座っていた箱が一気に壊される。避難しておいて良かったと安心すると同時に少しでも遅れたら自分がああなっていたと思うとゾッとした。


「こりゃ凄い力だ 人の首くらい簡単に圧し折れる」

「全くもって同感です____ッてうわッ」


一瞬で虎が目の前に現れ 前脚を繰り出す。
急に攻撃しないでよもう。
吃驚して心臓に悪い。





「Aちゃん大丈夫?____おっと」


虎に追い詰められた太宰さん。
第三者から見れば逃げ場は無い様に見えるが彼は違う。
虎が高飛び(ハイジャンプ)をし とどめを刺そうとした。


「獣に喰い殺される最期というもの中々悪くは無いが 君では私を殺せない」


太宰さんの指先が虎に触れると瞬きもしない間に異能が解けた。
異能が解け熟睡している敦さんを太宰さんが肩で受け止める。


「…………男と抱き合う趣味は無い」

「わっ」


太宰さんが手を離したので敦さんが頭から地面に接吻をしてしまった。
大丈夫だろうか、たんこぶできてないだろうか。
膝を折り顔を覗き込んでみた。
……どうやらぐっすり寝ている。


「おい 太宰 島崎!」


入り口に誰か人がいる。
長身のシルエットで判った。国木田さんだ。

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迷いの犬の文豪迷探偵 - 阿吽さん» お も し ろ す ぎ……!?有難うございます!とても嬉しいです!更新頑張りますね! (2018年1月26日 17時) (レス) id: 91010c623c (このIDを非表示/違反報告)
阿吽(プロフ) - 面白すぎます……;;更新ガンバッテください!!! (2018年1月25日 16時) (レス) id: de623f02c9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 迷いの犬の文豪迷探偵さん» 確かにそうですねww (2017年12月17日 17時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)
迷いの犬の文豪迷探偵 - Rさん» なんやかんやいって変人の知り合いを持つ夢主が一番変人…? (2017年12月17日 16時) (レス) id: 91010c623c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 迷いの犬の文豪迷探偵さん» 『100歳』じゃなくて『100歳越え』なんですねww 『後はー』ってまだいるんですかww太宰さんより変人だと思うんですけどw (2017年12月17日 5時) (レス) id: 0a6b6d9361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:迷たんてー | 作成日時:2017年10月16日 16時

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