夢幻の無（編集 藤崎風花） ページ43
「全員殺してやる。覚悟しろよ！」
憤怒に身を包み、深紅の目を光らせながらヴァラクはそう告げた。
レオナード。マリア。ネロ。セバスチャン。これらの加勢によるものであり、特に前者の吸血鬼と魔族はヴァラクを苛つかせる原因となっている。
――腐ってもその二つの種族はこの世界において最強とも言われている種族なのだから。
「ぐぁっ……！？」
「先生！」
だが、それでもヴァラクの方が一枚上手だ。
同じ種族。同じ性別。それでも、個人差や幼い頃の境遇によって強さなんてものは容易に変わる。
刹那の速さでレオナードに近づいたヴァラクは、その圧倒的な速度を軸にレオナードを蹴り飛ばした。
「守護結界……！」
「ネロ！余所見してる場合じゃないわよ！」
そのまま他に攻撃しようとしていると判断したのか、レンがネロの周りにバリアを張り、マリアが火炎の魔法でヴァラクを引かせる。
それを見たヴァラクは、今一番脅威であろうマリアに向かって走り出すが―――。
「させないよ！」
「マリアお嬢様には近づけさせません」
―――エレナとセバスチャンがそれを弾きかえす。
それはまさしく今までの信頼が成せる連携で。信じる者すらいないヴァラクが忌々しく感じるのも無理はなかった。
何一つ上手くいかない状況に歯ぎしりし、あらゆる感情がヴァラクに流れ込んでくる。殺気が。憤怒が。軽蔑が。そして―――。
「お前……ヴァラクだっけ？なに寂しそうな顔してんだよ」
―――嫉妬が。
「……れ」
呟く。
「そんな寂しそうな顔するぐらいだったら、俺達の仲間になれよ」
「……まれ」
呟く。
「ほら、俺の手を取れよ。俺達がお前の拠り所になってやるから―――」
その手を取る。否、腕ごと引きちぎる。
「黙れって言ってるだろ。俺は主以外の誰からの指示も受けない。お前らに認められたいなんて思っていない！」
レオナードの肩から溢れ出る大量の血を浴びながら、ヴァラクはそう叫んだ。
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藤崎風花(プロフ) - 続編作っといたのでよろしくね (2021年8月21日 22時) (
レス) id: 3f702e1346 (このIDを非表示/違反報告)
だいふくもち - ユメ＠金魚＠低浮上さんありがとうございます！ (2021年8月21日 6時) (レス) id: b91c45acd9 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ＠金魚＠低浮上(プロフ) - だいふくもちさん» あ、あ、だいふくもちさんが書いた、この１ページ、凄く好きです！！先生２人の性格がしっかりと出ていて…！最高です！ (2021年8月21日 0時) (レス) id: 1a6d1ee1bd (このIDを非表示/違反報告)
だいふくもち - わああ！昔「おもしろ、これ！」とか思いながら見ていた小説を書いたお二人から褒めて頂けるなんて！ほんっとうにありがとうございます！ (2021年8月20日 13時) (レス) id: b91c45acd9 (このIDを非表示/違反報告)
ケルベロス(プロフ) - 藤崎風花さん» めちゃ上手いじゃないですか！！後だいふくもちさん！！語彙力ぜひください←え (2021年8月20日 13時) (レス) id: 40ab08ef01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：主に、チョコ、湖の宝石、ユメ、藤崎風花、雪【α】、げそ、ケルベロス、季節ハズレの雪だるま、（追加したかったらどうぞ）です x他6人 | 作者ホームページ：http:
作成日時：2020年9月27日 13時
