58話 異臭 ページ9
一方その頃、Aと少女はちょうど目的地に到着したところだった。
「あら…これはこれは豪邸ね」
車内のフロントガラスから洋風の豪邸を覗き見ると、一般人には考えられない大きさだった。
庭もとても広くその上手入れされていた。
車で通っていかないと足が軽く棒になりそうなほどの面積はある。
「さあ、行きましょう。」
「うん…。」
少女に一声かけてから車の扉をあけて片足を出した瞬間、異臭が鼻の奥に突き刺さった。
「んっ…」
思わず顔をしかめて鼻を手で覆う。
しかし、少女は特に変わった様子もなくAを不思議そうな目で見ていた。
なるほど、一般人にはわからないくらいの匂いの強さか。Aはそう悟った。
しかし、一般人にはわからないくらいの匂いの強さだとしても建物の外まで匂いが漏れているのだから中はかなり臭いんじゃないだろうかと身構えた。
少女の案内のもと玄関までたどり着いた。
そっとドアノブに手をかけると鍵はかかっていないようであっさり扉は開いてしまった。
開けた瞬間、今まで中でこもっていた空気とともに恐ろしい匂いが豪邸の中から凄まじい勢いで飛び出した。
「やっぱり…、、ひどい匂いだわ」
日頃の生活のせいで死臭に慣れているAですら息を止めたくなるほど部屋の中は臭かった。
「うっ…うぇ」
流石に部屋に入ると少女も匂いを感じて危うく吐きそうになっていた。
おそらく今まで死臭なんて嗅いだことないないだろうに…。
「ううっ…お、お姉さん…これ、なん…の匂い？」
涙と胃の中で騒ぐ物に耐えながら少女は尋ねた。
「血、血と死の匂いよ…」
「血…っ？し、死？！」
少女はAにこの匂いの正体は気のせいだと、異常事態を示しているわけではないのだと否定して欲しかったという目で訴えていたが、もう何も言わず1番匂いの強いところへ向かった。
匂いをたどっていくと二階の1番奥の部屋にたどり着いた。この広すぎる家の中を歩いてきたのに人っ子ひとりいなかった。
とても静かだった。
扉をあけようとしたが、Aは少女が自分のすぐ真横にいることを思い出した。
扉をあけた瞬間何があるかわからない。
だから、少女にシッシッと手で払う動作を見せて自分の後方へ行くように伝えた。
「お姉さん…！」
「いいから下がっていなさい」
そしてこの後、2人は悲惨な光景を目にすることに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます＾＾あやはさんも受験勉強頑張ってください！＾＾ (2019年8月16日 10時) (
レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます！これからも頑張ってください！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます＾＾これからも読んでもらえると嬉しいです！ (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした！また頑張ってくださ〜い！ (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミカヅチイヴ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年6月22日 12時
