57話 どうであるか ページ8
「あの日は確かAの妹が…」
クロロは顎に手を当てて考える仕草をした。
「うん、多分そうだったと思うよ。」
クロロの記憶にシャルナークも同意をしめした。
記憶が得意派な2人が言うのだからそれは確かな事実なのだろう。
「妹が病気にかかったんだったか?」
シャルナークは少し間を置いてから答えた。
「団長、どうしてそんなことをオレに聞くの?オレより団長の方がAのこと知ってると思うんだけど…」
「はは、どうかな。…どうしてそう思うんだシャル」
シャルナークはコーヒーの水面にうつっている自分の顔を眺めながら「オレ、Aが毎晩団長の部屋に通ってるの知ってるよ」と言った。
「オレたちがそうゆう関係に見えるか?」とクロロは怪しく笑ってシャルナークを上目で見た。
シャルナークは顔を上げると一瞬クロロと目があったがすぐに壁の隙間から見える太陽に視線を移した。
「…わからない。でも、団長たちがそうゆう関係であっても何も不思議じゃない。もうAもいい大人なんだから。けど、オレには関係ないことかな。」
「Aが好きなのか?」
「さあ…。オレにはわからないよ団長。今まで大切な人を作ったことがないからね。」
先ほどまで輝いていた太陽が雲に隠れて光が遮られ、シャルナーの顔の影を一層深く黒くした。
「寂しいかシャル」
「ううん、寂しくはないよ」
「フッ…そうか」
シャルナークに続いてクロロも太陽を見上げた。
すると太陽は再び姿を現し、2人の顔を照らしはじめた。
「太陽は俺たちには眩しすぎるな」
クロロは目を細めながら立ち上がった。
どうやらコーヒーを飲みきったようで、ひと休憩終わったみたいだ。
シャルナークも飲み終えたカップをトレーに戻してから「オレたちの時間は夜だからね」と答えた。
「ひと段落ついた。シャル時間をとらせてすまない。オレはそろそろ行く。」
クロロはマントを翻して自室に戻ろうとした。
しかし、シャルナークがクロロの1番初めの質問を思い出して言った。
「団長、確かにAは妹が病気にかかったっていってたよ。」
「そうか。ありがとう」
「っ…。でもオレ、Aが病院に通ってるの一度も見たことないけど」
少し顔をしかめて言うシャルナークを見て、ああ確かになと思ったクロロ。
気がかりであることはまだあったが。しかしまた「そうか」とだけいってクロロは去っていった。
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ミカヅチ イヴ(プロフ) - あやはさん» ありがとうございます^^あやはさんも受験勉強頑張ってください!^^ (2019年8月16日 10時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
あやは(プロフ) - すごくいいところに来ててわくわくしてます笑受験勉強の息抜きにすごく助かってます!これからも頑張ってください! (2019年8月15日 22時) (レス) id: df4b2b1b15 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ゆっずーさん» 応援ありがとうございます^^これからも読んでもらえると嬉しいです! (2019年8月7日 19時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - フェイタンもフィンクスも皆面白い笑笑更新お疲れ様でした!また頑張ってくださ〜い! (2019年8月6日 23時) (レス) id: 9ee8873612 (このIDを非表示/違反報告)
ミカヅチ イヴ(プロフ) - ひがんさん» なるべく毎日更新頑張りますね! (2019年8月2日 22時) (レス) id: e1903f9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカヅチイヴ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年6月22日 12時