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「Aさん、おれけっぱったんだ。」


にっこり、というよりかはにやり、の方が正しいような笑みを浮かべて、

弟君は私の方を見た。

刹那、「関わってはいけない」と本能で感じてしまった。

背中をなにか、冷たい物が這い上がってくる。

嘘でしょ、前まであんなに楽しそうに笑顔で話そうと頑張ってくれてた子が?

今は私の恐怖の対象になってる。可笑しい。こんなの、何かの間違い。

今まで冷静に考えられていたのに、急に体が言う事をきかなくなる。

ああ、これが「かなしばり」か。

そんなのんきな事を考えながら弟君がこちらに歩み寄ってくるのをぼーっと見つめる。

恐怖を通りこして、もうなにがなんなのか、自分でも分からない感情だ。


「Aさん。」

「……なぁに?」

「Aさんは、おれの前から居なくならねぇよな?」

「……それは断言できないなぁ…」


そういった瞬間、さっきまで優しい蜂蜜色だった弟君の目が、

蛇みたいに鋭い瞳孔をこちらに向けた、どす黒い物になってしまった。


「なして?おれはこんなにけっぱって強くなっとんのに。」

「ほら、親の都合とか、そういうの」

「それがなかったらAさんはおれのそば、いてくれる?」

「うーん………」


………ここまで来て、一つだけ不思議に思ったことがある。

それは、何故ここまで私に執着するのか、という事だ。

今まで散々熱意は向けられていた。それは認めよう。

しかし、だ。

あのゼイユにぴったりだったなら、ゼイユにも執着しても可笑しくない。

共犯だったから?そんな理由はどうでも良い。

ヤンデレであれば、自分の所まで堕とすのがワンセットだ。

………考えれば考える程、分からなくなるな……。

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ハイムーン(プロフ) - mikazukiさん» あ、有り難う御座います…!最近投稿頑張ってみます…w (3月10日 21時) (レス) id: 4fbddfe45a (このIDを非表示/違反報告)
mikazuki(プロフ) - すっげぇ好きです!むりせず投稿頑張ってください! (3月10日 21時) (レス) id: 303456bd13 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハイムーン | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年1月15日 20時

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