【ハリー・ポッター】勇敢な獅子と愛を (ページ10)

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出会いと別れページ10

またもやグリフィンドールから喜びの声が聞こえる。

拍手で迎えてくれたのは、シリウスと赤毛の少女だ。

「やあ、久しぶり。A」

『やっぱり！久しぶり、シリウス。
まさか本当に同じ寮になれるなんて、思ってもなかった…』

「あら、彼とお友達？」

女の子が、拍手を止め鋭い目をこちらに向けてくる。

『ああ、新学期が始まる前にダイアゴン横丁で会ったの。
あなたも彼とお友達？お名前は？』

「この人と友達だなんて！私はリリー・エバンス。
彼と関わるのはよした方がいいわ。
この人、私の友人のこと……」

「ルーピン・リーマス！」

リーマスの番だ。思わずリリーの話を遮り、
勢いよく振り返ってしまった。両手を組んで祈る。
リーマスが、グリフィンドールに来てくれますように！

「グリフィンドール！」

Aは思わず立ち上がって、手が痛くなるほど拍手した。
安心したようにふにゃりと笑いながら、テーブルまで
ふらふらと歩いてきたリーマスを抱きしめる。

『やった！リーマス、同じ寮よ！』

「うん、本当に良かった。嬉しいよ」

次にグリフィンドールに組分けされたのは、
シリウスと友達らしい男の子だった。彼は皆に握手を求めたが、
リリーは再び嫌そうな顔をしてそっぽを向く。
残りの新入生も残りわずかだ。

「サントベルク・オスカー！」

オスカーだ！スリザリンに入りたがっていたけど、
どうせなら彼とも同じ寮に……

「スリザリン！」

Aの期待は、数秒のうちに消え去った。
オスカーは椅子から降りるとちらりとこちらを見たが、
スリザリンのテーブルに吸い込まれるように歩いていく。

Aは肩を落とす。オスカーと語り合った、同じチームで
クィディッチをするという夢は途絶えてしまった。

「まーたスリザリンか。物好きな奴らも居るものだ、全く」

「見ろよ、シリウス！次もスリザリン希望だ」

くしゃくしゃ髪のジェームズ・ポッターは、
楽しそうにシリウスに話しかける。

今椅子に腰かけたのは、先程隣に立っていた黒髪の子だ。

「スリザリン！」

組分け帽子はまたもや素早く答えた。
リリーが一瞬、悲しそうな顔をする。
シリウスとジェームズは正反対で、ニヤニヤしながら
スリザリンの方を眺めている。

スリザリンのテーブルでは、オスカーと先程の少年がプラチナブロンドの監督生と楽しげに話している。
Aは胸が少し傷んだのに気付かないふりをして、そっと目を背けた。