【ハリー・ポッター】勇敢な獅子と愛を (ページ8)

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ホグワーツ城ページ8

「イッチ年生はこっち！」

特急から降りると、上から声が降ってきた。
顔を上に向けると、もじゃもじゃの髭の中につぶらな瞳が光っている。
エマから聞いたことがある。ホグワーツの森番、ハグリッドだ。

「お前さん、俺の顔になんかついちょるか？」

『い、いいえ.......私の見える範囲には何も』

「そうか、なら良い
ほら、お前さんも早く進め、みんな先に行っちまうぞ」

大きな手で背中をポンと叩かれたAは、
衝撃で2ｍほど前に着地した。

『わ、ワオ......すっごい』

着地の衝撃で心臓はバクバクしている。
冷や汗が吹き出した私を見て、リーマスは愉快そうに笑った。

「おっと、そろそろ送っていかにゃならんな
お前さんらもイッチ年生だろ、ついておいで」

ハグリッドに付いて暫く行くと大きな黒い湖に出た。

3人1組で小さなボートに乗りホグワーツを目指す。
私とリーマスと同じボートに乗ったのは、
利発そうな茶髪の少女だった。

彼らを乗せたボートは滑らかに進む。
大小様々な塔が立ち並んだ大きな城が近付き、
壮大な景色に見惚れるのもつかの間
気付けばボートは陸に着いていた。

ボートから降りた生徒達は岩の路を登り、
湿った滑らかな草むらの城影の中にたどり着く。

ハグリッドが大きな拳を振り上げ3回ノックすると
扉がパッと開き、厳格そうな黒髪の魔女が現れた。

「マクゴナガル教授、イッチ年生の皆さんです」

「ご苦労様です、ハグリッド。ここからは私が預かります。
皆さん、大人しくして着いてきなさい」

マクゴナガル先生は扉を大きく開き、石畳のホールを横切って小さな空き部屋に生徒たちを案内した。

｢皆さん、ホグワーツ入学おめでとうございます。
新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、
席に着く前に皆さんが入る寮を
決めなくてはなりません───｣

『組分けだわ！私はどこの寮生になるのかしら
出来れば、リーマスと一緒がいいのだけれど』

Aが囁くと、彼ははにかみながら答えた。

｢さあ、どうだろうね
出来ることなら僕も君と一緒がいいな......｣

｢───まもなく組分けの儀式が始まります。
さあ、1列になって。着いてきてください。｣

マクゴナガル先生の話が終わってぞろぞろと並んだ生徒たちは部屋を出て、玄関ホールに戻って二重扉をくぐり、ついに大広間に入った。