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夏独特の ページ3

結局、赤葦くんになんの用があったんだろ。


ホームルーム中にぼーっと考える。


『(告白、かなぁ……)』


窓越しに赤葦くんを見つめる。



『…………窓側で良かった』




私、変態だわ。赤葦くんごめんね。やっぱりあんま関わんないようにする。ほんとごめん。


心の中で謝罪会見をしていると先生が教卓に箱を出した。


え、それティッシュの箱やん。


先生「席替えしま〜す、引いてって〜」


いや、突然すぎない??


皆小言を言いながら列に並ぶ。


私も友達と一緒にくじを引いた。



『…………勝った』


心の中でガッツポーズ。


窓側の1番後ろ。


窓の反射で赤葦くんが見れる!!



変態の思考回路かよ。



席を一斉に変え始める。


私はあまり変わらないから、すぐにまた席に座り窓を見つめる。

赤葦くんどこかな。







あれ、なんかこっち来てる。


あれれ??????


心臓がバクバクいってる。









赤葦「雛鶴さん、隣だね。よろしく」







なんだと。







『…………よろしく、お願いします……』



先生が話しているらしいが全く内容が頭に入ってこない。



赤葦くんとの距離わずか1メートル。




し、死ぬ。。。



先生「……以上です、えっと今日の日直誰ですか?」


赤葦「あ、俺です」



声の発信源が近すぎる。耳が妊娠する。




先生「放課後この資料まとめて職員室までお願いします」



赤葦「…はい、分かりました」





え、赤葦くん部活……。



礼をして、ぞろぞろと皆帰っていく。



赤葦くんは先生から資料を受け取って席で黙々とペンとホチキスを動かしている。






ガタ。



ドアは素っ気ない音を出して閉められた。



生徒の笑い声が遠くなって、夏独特の音が残る。



教室。クーラーの音と、肌がプリントに擦れる音。



私も急いでドアの方へ歩く。



教室には赤葦くんが一人で作業をし続けている。



ドアに手をかける。



でもやっぱり気になって、チラッと後ろを振り返る。




青すぎる空の中に赤葦くんが1人。



どこを見ればいいのかわからなくなって下を向く。




『(練習あるのに、)』



ドアを引こうとした手を引っ込める。









くるりと向きを変えて、赤葦くんの元へ歩く。









『赤葦くん、手伝うよ』




机の横にカバンをかけて、筆箱を出す。


赤葦くんは少し驚いた顔をして、




赤葦「ありがとう」



って言った。







夏。青い空と教室。赤葦くんと初めての二人きり。

永遠に。もう少し。→←設定



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作者名:ただのぶかつ | 作成日時:2020年5月28日 23時

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