【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ31)

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「………そうだな。怖いのは影山〝単品〟じゃないってとこ、見してやろう。なあ、日向！」

影山の肩に、ポンと手を置いたスガ先輩。それに答えを返したのは、いつの間にか肉まんを人数分買って来てくれたらしい大地先輩で。

「！あっオふっ！」

「お前、何先に食ってんだよ！」

「フザケんな！！」

然し、振り返った先に居た日向は先に肉まんを口にしていて。( 熱くねえのかな ) そんな呑気な事を考えていれば、田中と影山が日向の胸ぐらを掴んでいた。

「おいお前ら、バレー部だな！？店の前で騒ぐな！！」

「ビビった、……繋心さんかよ」

「おお、Aか。……あ、ウチの母ちゃんが何かいつもの化粧品？ってまた頼みたいつってたけど」

「ああ、分かりました。雪(ゆき)さんに連絡しておきます」

大地先輩から肉まんを受け取っていれば、ガラッと音を立てて開いた扉。其処には店番をしていたらしい繋心さんが居て。( 相変わらずバレー部に厳しいな ) そして俺の存在に気付くと、おばさんに言われていたのか思い出したように言った。

篠宮雪わー、了解 ! Aちゃんのお陰で色々助かっちゃうわ～
櫻井 Aお願いします。後、ちゃん呼びは好い加減止めて下さい。

「櫻井、影山。それ食ったらちょっと良いか？」

化粧品会社で働く雪さん ── 兄の幼馴染にLINEでメッセージを送りつつ肉まんにかぶりついて居れば、大地先輩に店の中を指差しながら言われて影山共々頷いた。

「 ── 今度の練習試合の日向と櫻井のポジションどうしようかと思ってさ」

「俺もッスか」

「うん。MBとして活躍して欲しいところだけど…未だ怪我は万全じゃないんだろ？リベロならどうかなとは思ってたんだけど」

「正直、まだ飛び跳ねるのは怖いので…リベロなら。つっても彼奴ほどの活躍は無理ですよ」

スガ先輩も一緒に入った店内で、大地先輩が切り出したのは練習試合の事。日向は未だしも俺もかと思いつつ、素直にそう口にする。

「櫻井だって言ってたろ？守備はまだまだだって。俺だけじゃカバー出来ない分も有るし、居てくれるだけで心強いからなあ」

「頑張ります。…でも守備面で言うなら、Wセッターとかも面白そうですけどね」

「成程、その手も有るのか」

しみじみと言う大地先輩に頷いて小さく続ければ、感心したように頷く先輩ふたり。どちらにせよ、守備がしっかり出来ない事には何も始まらないが。

「まあ、それは後々考えるとして…後は日向だけど」

「…俺は ── 」

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