検索窓
今日:3 hit、昨日:16 hit、合計:227,623 hit

第14話:練習試合開始 ( 1 / 2 ) ページ39

【 菅原視点 】


「田中、許すまじ」


「エッ、なんで!?」


トイレから戻って来た日向は緊張した様子は無く、一緒に戻って来たAに笑顔で楽しそうに話して掛けていて。── けれど、挨拶した後にその笑顔を消したのは田中だった。( またプレッシャー掛けちゃったもんなあ )


再び緊張させた自覚は無いのだろう。Aが小さく睨めば、ビクリと大きく肩を揺らした。( Aって時々、人殺せそうな目付きするよなあ。普段は普通なのに ) ( ま、向けられるのって田中だけだから良いけど! )


( 後、古典の助動詞使う辺り、ガチさを感じる )


「あ、清水先輩。髪ゴムとか持って無いですか」


「ああ、髪伸びてるみたいだもんね。…ちょっと待って」


田中が日向を追っ掛けて行った後、着替えを始めるといつものようにマネージャーの仕事を熟してくれる清水に話し掛けに行くA。一瞬、不思議そうにしたものの、伸びて来た髪を見ると鞄に触れた。


「髪切らないの?」


「切る。けど俺、美容室とか苦手なんだよ。だから、いつも兄貴か兄貴の幼馴染に切って貰ってて…兄貴は留学中だから暫く帰って来ねえし、雪さんは仕事忙しいだろうし」


「へえ、意外。切った後の髪型とか長さって一緒だから、こだわり有るのかと思った」


縁下の言葉に、僅かに眉間の皺を寄せたAは続けてぶつぶつ呟く。( お兄さん、留学してんの。凄すぎかよ ) 気になる所は色々有るものの素直に言えば、きょとんとした後、特に無いですと口にした。


「つーか…切ってくれる側が一番似合う髪型って言ってくれてるから、じゃあ良いかみたいな感じで…特に気にした事も無くて」


「私服めっちゃ洒落てんのに、こだわり無かったのか」


「大半が兄貴のお下がり。つっても俳優とか着てそうなチャラいのとか、キラキラしたようなのは着ないけど」


「俳優にどんなイメージ持ってんの…」


「めっちゃ大っきい帽子、長過ぎるコートとか、何も入らなさそうなクランチバック」


「ぶふっ…!分かるけど……!」


縁下の突っ込みに真顔でサラッと答えるAに、簡単に想像出来てしまって思わず吹き出す。( そう言えばお昼の番組で、超潔癖症な俳優さんもそんな事言ってたような )


「櫻井、これで良い?」


取り敢えず茶色しか無くてと差し出す清水の手にはコンビニやスーパーでも売っているのを見掛ける茶色の髪ゴム。飾り付いて無ければ何色でもと受け取った後、礼を言いながら髪を結んだ。






練習試合開始 ( 2 / 2 )→←先輩として ( 2 / 2 )



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (134 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
252人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紗羅 | 作成日時:2017年10月16日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。