第14話:練習試合開始 ( 1 / 2 ) ページ39
【 菅原視点 】
「田中、許すまじ」
「エッ、なんで!?」
トイレから戻って来た日向は緊張した様子は無く、一緒に戻って来たAに笑顔で楽しそうに話して掛けていて。── けれど、挨拶した後にその笑顔を消したのは田中だった。( またプレッシャー掛けちゃったもんなあ )
再び緊張させた自覚は無いのだろう。Aが小さく睨めば、ビクリと大きく肩を揺らした。( Aって時々、人殺せそうな目付きするよなあ。普段は普通なのに ) ( ま、向けられるのって田中だけだから良いけど! )
( 後、古典の助動詞使う辺り、ガチさを感じる )
「あ、清水先輩。髪ゴムとか持って無いですか」
「ああ、髪伸びてるみたいだもんね。…ちょっと待って」
田中が日向を追っ掛けて行った後、着替えを始めるといつものようにマネージャーの仕事を熟してくれる清水に話し掛けに行くA。一瞬、不思議そうにしたものの、伸びて来た髪を見ると鞄に触れた。
「髪切らないの?」
「切る。けど俺、美容室とか苦手なんだよ。だから、いつも兄貴か兄貴の幼馴染に切って貰ってて…兄貴は留学中だから暫く帰って来ねえし、雪さんは仕事忙しいだろうし」
「へえ、意外。切った後の髪型とか長さって一緒だから、こだわり有るのかと思った」
縁下の言葉に、僅かに眉間の皺を寄せたAは続けてぶつぶつ呟く。( お兄さん、留学してんの。凄すぎかよ ) 気になる所は色々有るものの素直に言えば、きょとんとした後、特に無いですと口にした。
「つーか…切ってくれる側が一番似合う髪型って言ってくれてるから、じゃあ良いかみたいな感じで…特に気にした事も無くて」
「私服めっちゃ洒落てんのに、こだわり無かったのか」
「大半が兄貴のお下がり。つっても俳優とか着てそうなチャラいのとか、キラキラしたようなのは着ないけど」
「俳優にどんなイメージ持ってんの…」
「めっちゃ大っきい帽子、長過ぎるコートとか、何も入らなさそうなクランチバック」
「ぶふっ…!分かるけど……!」
縁下の突っ込みに真顔でサラッと答えるAに、簡単に想像出来てしまって思わず吹き出す。( そう言えばお昼の番組で、超潔癖症な俳優さんもそんな事言ってたような )
「櫻井、これで良い?」
取り敢えず茶色しか無くてと差し出す清水の手にはコンビニやスーパーでも売っているのを見掛ける茶色の髪ゴム。飾り付いて無ければ何色でもと受け取った後、礼を言いながら髪を結んだ。
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作者名:紗羅 | 作成日時:2017年10月16日 1時