【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ19)

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第６話：日向と影山 ( 1 / 4 ) ページ19

「おい、お前ら！速攻(クイック)使えんのか！？」

「クィック？？」

「今みたいな速い攻撃だよ！！」

「？全然。おれ、ポォーーンって高く山なりに上がるボールしか打ったことないです」

「でも今やったろ！？それにお前、中学ん時、素人セッターのミスったトスを打ったろ！ああいう…」

「？どうやったか覚えてないです」

「～っ」

「でもおれ、どんなトスでも打ちますよ！打つからな！？」

( 日向の動きは野性的なモノが有るよな… ) 田中と話す日向の言葉を聞きながら、考えるのはそんな事。動きの予測出来ない事は俺としては最早、恐怖に近い。( まあ、小さい頃から傍に居たから慣れては居るけど )

その後も何やら ( 日向の一方的にも見えるが ) 言い合うふたりを見ていれば、また突っ掛る月島。( そんなに嫌いなのか )

「 ── なんでも、がむしゃらにやれば良いってモンじゃないデショ。人には向き不向きが有るんだからさ」

月島の言葉に今にも手を出しそうな田中を、大地先輩がネット越しに腕を伸ばしては止める。( 田中の気持ちは分からなくも無いが )

「………確かに…中学ん時も…今も…おれ、跳んでも跳んでもブロックに止められてばかりだ」

──…バレーボールは

〝高さ〟が重要な競技。

いくら飛べても身長差は埋められない。

「だけど…」

《まさに〝小さな巨人〟！！》

「 ── あんな風になりたいって思っちゃったんだよ。だから不利とか不向きとか関係無いんだ。この身体で戦って、勝って勝って…もっとコートに居たい！」

「…精神論じゃないんだって。〝キモチ〟で身長差が埋まんの？守備専門(リベロ)になるならハナシは別だけど」

( 今此処に夕が居なくて良かったと思う ) ( 彼奴なら絶対月島に食って掛かってるし、リベロ舐めんじゃねーよって切れそう ) ( 実際、俺が今思っている事では有るけど )

「…スパイカーの前の道を切り開く… ── そのためのセッターだ」

「「「！？」」」

キュッとシューズの音を鳴らしながら日向と隣に並んだ影山。皆が驚く中、何やら作戦会議を始めたふたり。暫くして解散したかと思えば、ぴょんぴょん飛び始めた日向にサインらしきものを出す影山。( 大丈夫か？ )

── なんて心配は必要無い………訳が無く。全くと言って良い程、息が合わない日向と影山。日向の打点を速いスピードで通過、日向自身の空振り、触ったかと思えばネットタッチ。( 此処まで噛み合わないと或る意味、清々しい)

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