【HQ】排球部系恋愛【短編集】

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「やっくんやっくん！！」

「今度はなんだよ」



馬鹿みたいに俺に絡んでくるコイツはニマニマ笑って明らかにめんどくさいこと考えてるってことはわかる。




「やっくんてさショートカットの子が好きなんだよね？」

「あ、いや、まぁ、タイプってだけで」

「なんでじゃあリエーフのお姉さん見ると顔赤くするのかなぁ？」



予感的中。
部員の目がこちらにバッと向く。やめてくれ。
ニヤニヤと大声でわざとらしく言い放ったこいつに俺は青筋たてながら拳を用意して近づく。




「え、あ、いやちょっ！！」

「顔がむかつく」




ゴツン、といつものように脳天に拳を落とす。




「痛いよ！！」

「お前が悪い」

「え、でもアリサさんとやっくんが結婚したら
あのドラ息子が弟になるね〜」

「え、夜久さんが兄ですか……！？」

「ならねーし結婚もしねぇよ！！」

「やだもうやっくんたら〜！ツンデレか！」

「ちげーわ！！」



またベジッと頭を叩く。




「お前は少し黙ってろ」

「えー」

「本気で殴んぞ」

「黙ります」




キュッと口を結ぶA。
単純というか馬鹿というか。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿





「ははっ、お前ほんと単純だな。
女子相手に本気で殴るほど俺馬鹿じゃねーよ」

「いやでも本気で殴られてるような……
……ごめんなさい」

「つーかさ、なんで俺にそんなに絡むの」

「やっくんは絡みたくなっちゃうんだよねー
反応面白いから」

「何お前、Ｍなの？」

「ちがうちがう！！」



ここですきだから、とか、言えるはずもなく
反応が面白いから〜とヘラヘラ笑って返す。





「え、いや、でもどっちかっていうと夜久さんは研磨さんの義兄弟になるんじゃないんですか？」

「なんで？リエーフ」

「だって夜久さんとAさんめっちゃ仲いいじゃないですか！俺、付き合ってるかと思ってました」




その一言に芝山犬岡も賛同する。
1年生にそう思われていたことがどこか恥ずかしくて
ぐわぁっと顔が熱くなる感覚。




やっくんをみるとやっくんもなぜか顔が赤くなってて、ちょっと期待していいのかな、と思った。

まぁ後から黒尾にからかわれることになるんですが……それはやっくんがはっ倒しました。



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