いち ページ2
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汗で体に張り付くワイシャツ。
やたらでかいセミの鳴き声。
冷房の効かない教室と、
じりじりと肌を焦がす太陽。
清々しいなんて嘘でも言えない朝に、登校早々私はうんざりしていた。
「あぁもう、溶けそう…」
机にへばりつきながらひとりごちる。
家から近いという理由で選んだ烏野だったけど、
この季節は校門までの坂道が地獄でしかなかった。
「あっついなあ」
ぼやきながら窓に手をかけた。
席替えで窓際の席に当たったのは、この季節じゃ幸運とは言えなかった。
だって、クーラーの冷風が全く届かない。
仕方なしに開けた窓から流れてくるのは、申し訳程度の微風。
けれどないより随分とマシだと言い聞かせながら、私は日が指さない程度にカーテンを閉めた。
「……」
そこに背中を預けながら、人のいない教室を見回す。
いつもは喧騒で満たされているこの空間が静まり返っている光景は、何度見ても飽きる気がしない。
違和感があって、けれどなぜか、とても落ち着く。
セミの鳴き声は除くとしても、どの季節も共通して、朝はとても静かだ。
私はこのどこか贅沢な時間が、嫌いじゃなかった。
これを味わうために、苦手な早起きができるほど。
ジージーと鳴いてるセミの声をどこか遠くに聞きながら、私はゆっくり目を伏せる。
静かに深呼吸をしてみれば、今日も笑顔で頑張れる気がした。
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かかお(プロフ) - ななさん» なな様、あたたかいお言葉ありがとうございます!よろしくお願いいたします。 (2021年2月6日 9時) (レス) id: ee76e1aae3 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新待ってました!頑張ってください! (2021年2月5日 17時) (レス) id: 4f61ebe657 (このIDを非表示/違反報告)
かかお(プロフ) - りぷさん» りぷ様、お返事遅くなってしまってすみません。あたたかいお言葉ありがとうございます!とっても励みになります。マイペースに更新していくつもりでおりますので、気長に待っていただければと思います。 (2021年2月5日 17時) (レス) id: ee76e1aae3 (このIDを非表示/違反報告)
りぷ - すごく面白くて好きな作品の1つです。更新がんばってください! (2020年8月2日 11時) (レス) id: 587a922c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かかお | 作成日時:2020年5月26日 4時