4話 ページ4
初恋だった、たぶん。
小学校高学年辺りから周りが異性を気にし始めるなか、私はそれを端から見ていた。たまに私も告白されたけれど、断っていた。
侑はその頃からちらほらとモテていて、中学二年辺りになるとほぼ毎週のように告白されていた。
「また酷い断り方したんだって? いつかラブレターにカミソリ入ってるかもよ」
「何おっかないこと言うてんねん。セッターの手にそんなんするやつ居たら張っ倒す」
下らないやり取りの応酬。
モテ始めた最初辺りは少し不安にもなったものだ、遠くへ行ってしまったように感じた。けれどそれだけ。実際は、幼馴染みという関係に何も影響を及ぼさなかったし。
そして私はこの時呑気にもこんなことを考えていたのだ。
侑は物凄くコクられてるけど、治の話聞かないな。何でだろ、治だって顔良くて運動神経抜群なのに。
ねえ過去の私。お馬鹿さんな私。
治がその話題を出していなかっただけだと、気付かなかった私。
うっかり告白現場に居合わせてしまって初めて、治も侑と同様モテていたことを知ったのだ。
そして、治がその告白を断ったことに安堵した自分に気付いたのだ。
「なあAまたお前コクられてたやろ。断ったん? 何で?」
「興味ないからかな。…………いや」
侑にいつもされていた質問の答えを変えたのは、この時から。
「……好きな人いるから」
「ほーん。……うぇ?!」
片想いの始まりだった。
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えま(プロフ) - ふぐひらめさん» こんな昔の作品ですが読んでいただけてとても嬉しいです!応援ありがとうございます! (11月27日 1時) (レス) id: 73c5e48b27 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ(プロフ) - はぁ〜〜〜!!ここ数日作者さんのハイキュー作品を舐めるように見て回っているのいるのですが…正直に言います。供給過多です。宮兄弟大好き。すなりんも好き。作者さん愛してる。そんな全力できゅん殺しにこないで…応援してます! (11月26日 20時) (レス) @page16 id: 63e1c883be (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます。幸せを感じられたなら幸いです!! (2021年9月11日 18時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 幸せをありがとう (2021年7月11日 7時) (レス) id: e3f2d4851e (このIDを非表示/違反報告)
えま(プロフ) - おっふさん» コメントありがとうございます!! 評価までしてくれて感謝しかありません!! (2020年1月3日 10時) (レス) id: 1055510b53 (このIDを非表示/違反報告)
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