【黒尾鉄朗】ひねくれ意気地なし(1) ページ23
〔あなたside〕
「ほんと、お前嫌いだわ」
「あっはっは。私も。」
にこー、と互いに笑い合う。
もちろん。張り付けたようなふざけた笑みで。
「たまにはノってこいよ。俺がKYみたいだろ」
「お前さ。朝一番に『あいしてるぜー』とか完璧な棒読みで言われたら引くだろ、普通」
「そのノリでさらっと返すのがお前の長所だろ。」
「私の長所はその程度か。もっとあんだろ?髪の毛がさらさらだー、とか。目がデカいだー、とか。優しいー、とか。」
「髪の毛?お前、ごわごわじゃねーか。寝ぐせついてんぞ、そこ」
「寝ぐせに関してだけは、世界中で誰よりも、お前に指摘されたくないね!」
ホームレスの言っちゃ悪いがみすぼらしいおじさんに言われてもいいから、黒尾だけには寝ぐせのことを言われたくない。
お前のその見慣れた髪型、寝ぐせとか寝ぐせじゃないとか噂だぞ。
「言うねぇ」
ニヤリと黒尾は笑った。
反射的に「キモイ」と言ってしまったが、まぁ、仕方ない。
自分に素直に、っていうし。
「キモイって、ひっでぇな。」
「事実事実。自覚ないなら早めに自覚しとけよー」
「俺思うんだけどさ、お前って根本的なツンデレだよな」
「一兆歩譲って私がツンデレだとしても、お前の前でデレたことは一回だってねェよ!!」
「そうなんだよなぁ」
黒尾が考え込む。
何考え込んでるのか大体予想できるから心底呆れる。
黒尾は、私の自分でも呆れるぐらいのこのぶっきら棒というか仏頂面というか、何に関しても無関心であるこの性格の穴を見つけたいらしい。
の前に、根本的に黒尾に興味ねぇんだけど。
とか言ったら頭を鷲掴みにされてかち割れそうになった。
女扱いをしろとはいわねーから人間扱いはしてくれって何度も思う。
「まぁ、ここはやっぱり王道的に、押し倒すか。」
「やったらコンパスで目つぶしな」
「それ殺人レベル」
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ミミ - やくさんのがすごく気に入りました!!あの話の夢主verってありませんかね?なんか気になりますwすみません_(。_。)_ (2015年5月26日 22時) (レス) id: 262483848d (このIDを非表示/違反報告)
咲良 - めっちゃきゅんきゅんしました。面白かったてす!特に、最後の赤葦さんでもうK.Oされました← これからも頑張ってください! (2015年1月8日 15時) (レス) id: e0f3f2013d (このIDを非表示/違反報告)
もち - はじめまして!!凄くおもしろかったです!私の萌えるツボをピンポイントでついて来ました!更新、頑張って下さい! (2014年11月17日 16時) (レス) id: fc7d8f1714 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん(プロフ) - どきどきします!がんばってください!!(*´-`) (2014年11月16日 20時) (携帯から) (レス) id: a75596c119 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウ | 作成日時:2014年11月16日 17時