もしも音駒高校バレーボール部に女子マネージャーが居たら。【HQ】

第26話 ページ26

配り終えて、みんなお腹が空いているのか涎が垂れそうな勢いで目を見き開いている。
監督の挨拶があり、いただきまーすと元気の良い声が聞こえたと思ったら、みんな一斉にご飯をガツガツという効果音がつくくらいの勢いで食べ始めた。
圧巻してみていると夜久がこちらに気づく。

「ん？腹減ってないのか？」

きょとんとしながら口を動かしている姿が小動物みたいでとても可愛らしい。
本人に言ったらどうやらと好奇心がでたが、昨日のことを思い出して急に悪寒が走った。

「あはは……。ちょっと疲れたみたいだわ〜」

あははと乾いた笑いを含めていうと夜久はふーんといい、そのまま黙々と食べ進めていた。
山本と犬岡のお代わり争奪戦を横目にいつもよりゆっくりとご飯を食べる。
それにしてもご飯が美味しい。どこのお米だろうか気になるから後で中井さんに聞こうかなと考えたりしていた。

食べ終わった後もちゃんと手伝いをしている。
皿はみんなに運んできてもらい、私は中井さんと一緒に皿洗いをしている。

「いやぁー手伝ってもらって悪いねぇ」

中井さんはニコニコと笑っているが、手は忙しなく動いている。
その姿に感嘆の声をもらした。
自分も中井さんには負けてられないなと思い、手を動かすスピードを速める。
私が集中し始めた頃には辺りはカチャカチャと皿が音をたてるだけの静かな環境となっていた。

「よし、洗い終わった！！」

そう言って腕を上げて伸ばす。
終わったという達成感で心に満ち溢れていた。

「お疲れ様、明日もお願いできるかい？」

そういってポンポンと優しく撫でる。
撫で方があの人とそっくりで妙に落ち着いてしまった。

「え、あ……よ、よろしくお願いします!」

思ったより、大きな声が出て少しだけ恥ずかしくなった。

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