episode47 ページ47
・
彼についてくと彼の目の前にはオブスキュラスがいた。
「「下がって」」
俺とおじいちゃんがそう言うとジェイコブさんは触る寸前で自我を取り戻した。
「下がってて」
「これなんなんだ？」
「いいから近づいちゃいけないよ」
「一体なんなんだよ」
「オブスキュラスだよね。」
俺がおじいちゃんにそう問うとおじいちゃんは頷くだけだった。
「さあ、もう行こう。逃げた子達が心配だ。」
「危ないのか」
「何されるのか分からない。見知らぬ土地で周りにいるのは何百万といる地球上で最も恐ろしい生き物だ。」
「人間だよ」
おじいちゃんのこの言葉は何千と聞いてきた。
「どこを探せばいいかな？中くらいの動物で広い原っぱとか木や水たまりが好きなやつが隠れるとしたらどこだろう」
「ニューヨークで？」
「あぁ、」
「原っぱ？セントラルパークとか？」
「それはどこにある？」
「あんた知らないのか？」
そういうとジェイコブさんは呆れたようにでも嬉しそうに案内してやると言った。
「でも失礼だと思わないか？せっかく泊めてくれてココアも入れてくれたのに」
「でも、具合が良くなったって知られたらジェイコブさん記憶消されちゃうんだよ」
「ほんと？」
「魔法に関する記憶がきれいさっぱり消える。」
ジェイコブさんは忘れたくないようでおじいちゃんについて行くことに決めた。
「俺の意見は聞かないの？」
「カタカナ推奨は聞くまでもないだろ」
そういうおじいちゃんはなんだか意地悪な笑みを浮かべていた。
「俺も猫を探さなきゃ行けない。はぐれたんだ。銀行でニュートが尋問受ける時に使った姿くらましで」
「いや、あれはほんとにごめん。僕がぶつかっちゃったから今巻き込んでるんだよね」
「別に気にしてないよ。むしろ巻き込んでくれて嬉しい。だってこんなにもたくさんの動物が見れてジェイコブさんにも会えて」
俺がそう言うとおじいちゃんとジェイコブさんは目を見開いた。
「ルトは賢いし、少しくらい俺が居なくても大丈夫だよ。信頼してるからね」
「すげーな、俺もそんな事言ってみたい」
「ふふっ、だからさ。俺と出会ってくれてありがとう」
「僕こそカタカナ推奨に出会えてよかった」
まるで今世紀の終わりのような言い方に思わず笑ってしまった。
ジェイコブさんにも大切で信頼出来る人が出来るよ。決して言葉にはせず俺はそう言った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
