episode45 ページ45
・
「お、お前は驚かないのか？！」
「魔法ってこんなもんだよ。騒ぐより慣れろだね。」
おじいちゃんはジェイコブさんをその辺に座らせて傷跡を確認した。
「やっぱりマートラップだ。君は毒に弱いらしい。カタカナ推奨の言った通りだ。君はマグルだから僕らとは体質が違うんだ。」
おじいちゃんは薬草を使って薬を作りそれをジェイコブさんの傷口に塗った。
次に肉をぶったぎってバケツに入れるとジェイコブさんに持たせた。
おじいちゃんはスーピング・イーヴルを絞り出していた。
「それ、スーピング・イーヴルだろ？薄めれば薬なるんだ」
「すごいな！僕でも最近知ったのに。嫌な思い出を消してくれるんだ」
そういうおじいちゃんの話をうんうんと大きく相槌を打ちながら聞くジェイコブさん。
おじいちゃんは驚かせようとスーピング・イーヴルを勢いよく出してみせた。
いきなり視界いっぱいにスーピング・イーヴルが出てきてホラーよりもホラーでかなりビビった。
「ここで放し飼いはまずいよね」
いたずらっぽくそう笑った。多分俺はこういうところも含めておじいちゃんに似てるんだろうな。
イタズラが好きなところ。ほんとにそっくりだ。
来てとおじいちゃんに言われ俺たちは小屋の外へ向かった。
外へ出るとサンダーバードがいた。
昔一度飼っていたというのをおじいちゃんから聞いたことがあったことを思い出す。
「それにしても助かったよ。お前が逃げてたら大変なことになってた。アメリカに来たのはこいつのためなんだ。ふるさとに返すため」
ジェイコブさんは口を開けたまま固まった。そりゃあそうだろう自分よりも大きな鳥にマグルが驚かないわけが無い。
俺は優しくサンダーバードに近づいて触れた。
「本物？俺サンダーバードなんて初めて見た」
「驚いた人見知りのフランクが大人しく撫でられてる」
撫でていると次第にフランクは俺の手に顔を擦り寄せてきた。
「才能かも。おじいちゃんが立派な人だったから」
「こいつは密輸されていたんだ。エジプトで鎖に繋がれてた。見過ごせなくて連れてきた。元の世界に帰してあげるからな。在園の大自然の中に」
おじいちゃんが優しい顔でそういった。
おじいちゃんが餌を上に向かって投げるとそれを身軽にとって食べた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
