episode43 ページ43
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「ティナはキャリアガールよ。私たち親もいないの。子供の頃ドラゴン暴走で死んじゃった。まあ！優しいのね。でも一人じゃないから」
ジェイコブさんが何も言っていないのにすぐさま返答を返してしまうクイニーさんにジェイコブさんは思わず心を読まないでと言ってしまった。
「誤解しないで！嫌じゃない。この御馳走めちゃくちゃ美味しいよ」
隣にいるおじいちゃんに落ち着きがなかったのでそっと手を重ねると驚いたようでこちらを見たがすぐさま手を裏返して握り返してきた。
おっと積極的。
「俺も商売柄料理するけど、これは、こんな美味いのは生まれて初めてだ！」
「ふふふ！う〜ん！あなたって楽しい人！私ノー・マジと話すの初めて！」
この頃から二人とも仲がいいんだな、と思い俺は思わず二人から目線逸らした。
「誘惑してないわ」
おばあちゃんの心を読んだのだろう。クイニーさんがすっと悲しそうな表情をした。
「深入りするなって思っただけ、どうせオブリビエイトする人だから。悪く思わないで」
「あら大丈夫具合悪そう」
そうクイニーさんが言うとついに我慢の限界になったのかおじいちゃんが立ち上がって口を開いた。
「コワルスキーさんと僕たちは早めに休ませてもらうよ。君だって明日早いだろ？ニフラーを探しに行かなきゃ」
「ニフラーって何？」
「聞かないで」
クイニーさんの問いに思わず痛いところをつかれたおばあちゃんはそう言った。
寝床はこっちよと案内するおばあちゃんに驚きが隠せないおじいちゃん。
まさか寝床を用意されてるなんて思っていなかったのだろう。
寝床につくとおじいちゃんは顔だけ出して布団に潜り込んでしまったし、ジェイコブさんは普通にくつろいでる。
そんな時おばあちゃんがココアを持ってきてくれた。
俺はずいっと飲むと甘くて暖かくて安心した。
おばあちゃんはトイレの場所を教えて部屋を後にした。
このココア昔飲んだ味で思わず匂いに誘われてニフラーとパースがでてきた。
「おいこら、お前たちのじゃないんだぞ」
俺のその声に反応しておじいちゃんがいきなり起き上がった。
「わっ、びっくりした」
「君！ニフラーとボウトラックルを飼っているのかい？！」
「え、うん」
「その子たち少し触らせてくれない？」
「いいけど、名前、呼んで欲しい。大切な人から貰った名前だから」
「わかったカタカナ推奨よろしくね」
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