episode35 ページ35
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おっと、銀行で逃げるのはさすがにマズいんじゃ。
なんてニフラーを目で追っていると目の前の前髪がパッツンな男の子から演説のパンフレットを貰った。
俺はその子と目が合うと吸い込まれるように彼の瞳を見つめた。
そしてまた彼も俺の瞳に釘付けだった。
そんな時後ろから先程の紺色のローブの彼が失礼といい前に進む際俺は少し押されバランスを崩した。
それを拍子に彼とは目が離れてしまった。
なんだか気がついたら彼の奥底まで覗いてしまいそうだった。
俺をかき分けて急ぎ早に銀行へ向かった紺色のローブの人の追いかける先はニフラーだった。
どうやら逃げ出したニフラーに気がついたようだった。
俺もその場を離れ銀行の中へはいる。
銀行へ入るとこの銀行の使用人だろうか声をかけられた。
「なにかお困りですかな。お客さん」
「えっと、ニューヨーク初めて来て。通貨を換金したいのですが」
そういうと使用人らしい人は換金所に案内してくれた。
そこで嫌がるニフラーのポケットから向こうの通貨を出して換金した。
換金したこっちの通貨、初めて見る金ピカのものにニフラーの興味は注がれた。
というより先程逃げ出したニフラーは大丈夫だろうか。
銀行で悪さをすれば駆除対象になりかねない。
それにニフラーって魔法動物だし、
そんな時大きな声が聞こえてきた。
「おい！イギリスの旦那！卵がかえりそうだぞ！」
俺はその言葉に反応して声のした方をむく。
彼が手にしていたのは純銀の卵、きっとオカミーの卵だろう。
なんでそれを持っているのか聞こうと彼の元へよる。
すると、彼が呼んでいたイギリスの旦那基先程の紺色のローブの男性が魔法で彼を引き寄せそのまま姿くらましを使った。
「うそぉ、」
俺は思わず声を上げて驚いた。
まさかマグル界で姿くらましを見ることになるなんて想像もつかなかったからだ。
まあもう二人がどこに飛んだかなんか分からないし、そう思って銀行を出ようとすると急にブザーが鳴り響いた。
銀行強盗が入ったとのこと。
急に？まさかね、
なんて俺は苦笑を零しながら外に出ると銀行の階段の手すりから身を乗り出して銀行脇をのぞき込む女性がいた。
俺は少し気になり同じように階段脇に近づくと先程姿くらましをした二人がそこにいた。
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